第18話 地球温暖化研究所・

==これは、地球を救うために立ち上がった“若いヒーロー達”の物語である==




「うっわ!せっま!……それに、中はもっとボッロ!」


 モー、アッツ!……≪ ゴン!✊≫


「いってー、マナ?俺なんか悪いことしたか~?」


「あー、悪くないわよ!……事実なんだから……でもね、あんたは、正直過ぎるの何でも。ちょっとは、考えてからしゃべりなさい!」



 ホントに、世話がやけるんだから、モー🐄。


 でも……これが、研究所?部屋の真ん中にテーブルとソファーがあるだけ。後は、事務机とパソコンしかないわ。何だか、壁際には古そうな箪笥が置いてあるけど…………




「湖路奈、すまんがみんなにアイスコーヒーでも出してくれないか?」


「所長?アイスコーヒーって、何だ?いつも飲んでいる、アイスウオーターじゃダメか?」


「ん?あ、ああ~、まあ、何でもいいから、持って来てくれ!」



 アイスウオーター?……ただの水じゃね?こりゃあ、よっぽど貧乏なんだわ!



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇一休み

https://kakuyomu.jp/users/kurione200/news/16818023212668271347

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「さっきのラーメン屋、変だと思わなかったか?」


 所長は、一気に水を飲み干してから、なんだか思い出すように話だしたのよね。


「わ、私、見たの!か、壁のメニュー。……全部、温かいものに……な、なっていたわ」


「私も見ました。普通は、“冷やしラーメン”とか“氷ラーメン”なのに、すべてメニューは“熱湯○○○○”になっていたの。私は、暑さをやっつけるジョークかなって思ったんだけど……」


「あいつ、本当に熱湯を持って来たもんなあぁ」


「あんなの掛けられたら、たまったもんじゃないわよね、ミー先輩!」


「ああ、そうだな。ただ、あのヤカン男は、その後正気に戻ったみたいだったけど……」




「そう、彼は、ただ操られていただけなんだ!」





「「「「 操られていた?」」」」






「そう、あの店に“雪男みたいな店主”と“黒ずくめのビキニの女”が、居たろう。僕は、奴らが操っていたと考えているんだ」


「じゃあ、俺が前ラーメンを食べた時は、もうこの計画が進んでいたということなの?」


「たぶな。あの“ラーメン雪男”は、2ヶ月前にできたんだ。ちょうどうちの研究所の前だったんで、調査はし易かったんだ」



「だって、所長はちーっとも料理しないから、毎日ラーメン食べに行ってたですの事よ。ウチは、外食ばっかだとお金無くなるって言ったのにさ~」



「フン!大丈夫だ。……もうすぐ大儲けできるから、お金の心配はいらん。…………それより、お前の料理が食えないから、仕方なくラーメンで済ませてたんだぞ!」



 あーあ、こんなところで、奥さんの料理にケチ付けて……


「所長さん、そんなに奥さんの料理を悪くいっちゃぁ……良くないっすよ~」


「ん?真夏美君。何を気にしてるんだい?……こいつは、料理ができないだけなんだが?……最初の試作だったので、そこまで気が回らなかっただけなんだ。僕の失敗さ」



 どういう事?所長の失敗?



「それより、このスーツケースを南中子君に預けておくから、“氷の結晶”が手に入ったら、これに格納しておいてほしい」



 ミー先輩が渡されたスーツケースには、“氷の結晶”が填まるように10個の穴が開いていたの。と、いう事は、“氷の結晶”って、10個あるの?

 所長は、数については、何も言ってくれなかった。なんか、改めて聞くのも面倒くさいし、他のみんなも黙っていたので、スルーしちゃった。



 ただ、シーちゃんセンセだけが、

「ふっ……じゃあ、あと9回は、奴らと戦って、やっつけることができるんだな……」

と、妙に自信たっぷりに薄笑いを浮かべながら呟いていた。



 あれ?シーちゃんセンセって、チェインジしなくても、性格変わる?





(つづく)

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