第14話 温暖化の仮説・

==これは、地球温暖化に立ち向かう、純真な高校生たちの物語である==




 あたし、どうしても聞きたかったの!……今、聞かないで、いつ聞くの?……さあ、聞くのよ!


「あの~……夏野なつの所長……?……ちょっと、お聞きしたのですが…………」

 

「何かな?マナちゃん?」




 うっ!……ちゃん?……我慢我慢……




「…………どうして、コロナさんは、猫耳ねこみみなんですか?」

 うわああーーー、聞いちゃった!聞いちゃた!ハアハア……



「ウチの耳か?……ほれ!本物の耳は、ここにちゃーんと、あるよ~」

 コロナさんが、髪の毛をたくしあげて、人間の耳を見せてくれた。


「え?じゃあ、その猫耳は?」


「そんなの決まってるしょ!所長の趣味よ、趣味!所長は、可愛い女の子が出ているアニメが大好きなの!」


「あ、湖路奈ころな!また、お前は余計な事を……」


「いいじゃんね~この猫耳、可愛いしょ!ほれ!ウリ、ウリ、グリグリグリ……」


「あ、あ、分かりましたから、もうやめてください~」


 フ―っ!気持ち良かった……

じゃなくて、そんな猫耳をグルグリされたら……ん、んっ!

 ……本物?


 やっぱ、マニアじゃん、ねー。あ、マニアじゃなくて“アニオタ”か?


 そういや、チェインジの合言葉とか、魔女っ娘みたいだったよね~

 それに “オンダン ファイブ”って、もろ、戦隊ものじゃん……先が思いやられる……??……あー先じゃないわ、今も、もう“やられてる”し…………。



「ホレホレ……どうじゃぁぁぁ……ホレホレ……」


「あ~あ~、モフモフだ~😀」

「わ、わ!……き、きも、……気持っち……い、い、いいわわわ~🤩」

「んーん、最高だなあ、これはいけるぞ!👍」


 ダメだ、みんなやられてる……(;´д`)トホホ。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇一休み!

https://kakuyomu.jp/users/kurione200/news/16818023212407322430

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「ところで、所長……私からも聞きたいことがあるのですが……」

「お!上杉うえすぎ部長……遠慮せずに聞いてくれたまえ!」



「私達が応募した論文は、何が良かったのですか?」

 

 そっか、今回の始まりは、あの論文からだ。猫耳より、何倍も大事だよね……えへっ!




 夏野所長は、いたって真面目にあたし達を一回見渡した後、静かに話し出した。


「地球は、今、温暖化していると言われているんだ。もう何十年も前からだ。

 平均気温がどんどん上がり、地球上で人間が住めない場所が増えてきた。

 これは、異常気象だとか、大気循環の異常だとか、天体移動で地球や太陽の場所が変化してきたからだとか、いろいろなことが言われ、その都度研究されてきた。


 ただ、どれも決定打には、欠けている。


 例えば、気象異常が原因だとして、どうして昼と夜の温度が同じなんだ?

 1年中、季節の変化が無くなり、気温の変化も無くなった。


 加えて、『温暖化が進む』とか言われているが、ここ10年地球の平均気温は、変化していないんだ。

 高いままなんだ。


 おかしいだろう?」




「ええ、その通りよ!おかしいわ!……だから、私達は温暖化の原因に仮説を立て、論文に書いたの」



「つまり、


『地球の高温化は気象現象ではなく、地球そのものが未知のウィルスに侵されているということ。人間がインフルエンザに罹ると高熱が出るように、地球も病気になって高熱が出ていること。ただ、地球は規模が大きいので、そんなに簡単に病気は治らない。増してや、だれも薬を与えないから、高熱が続いている』


 という仮説なんだね」



「その通りよ!」



「上杉部長、なんて君達の仮説は、素晴らしいんだ!…………僕は、まったく同感なんだ!」


「同じ考えの人がいたんですね…………」


 ミー先輩は、とっても嬉しそうだわ……そりゃそうよね……お姉さんを信じる人は、今までミー先輩だけだったんですもの。……あ、あたしも信じてるわよ!でもね、実際にその未知のウィルスとか、見た訳じゃないから、わかんないのよね~



「そうだ、だから君達にこのコスチュームをプレゼントしたんだ。

 ……今度の日曜日に、研究所に来てくれ。この論文が、正しかったということを証明してあげよう」


「「「「えーー?証明してくれるんですか?o((⊙﹏⊙))o

 …………………………………………私達の仮説を!」」」」




(つづく)

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