第13話 秘密兵器2・

==これは、地球温暖化に立ち向かう、純真な高校生たちの物語である==




「う、う、う………………………………………」




「おや?どうしたね、熱太郎あたろう君?」


「あ、所長、気にしないでください。アッツは、勝手に悩ませておいて、いいですから」



「ああ、そうなんだ…………ところで、私は、このコスチュームにもう一工夫してあるんだ!」


 おや?……まったく、この所長さんは……。ひょっとしてアッツと同じ“匂い”がするわ…………何か変な仕掛けでもしているんじゃないかしら?


「だれか、思いっきりオンダングリーンを殴ってくれないか?もちろんグーパンチでいいぞ!」


「え?そんなことしたら、コロナさんが怪我をしてしまいますよ」


 

 ミー先輩、優しいから…………。

 ほら、やっぱりこのおじさん変だわ!そんなこと………え?…え?…シーちゃんセンセ!!



「おりゃああああーーーーーーーーーーーー」



 わあお!躊躇もなく、思いっきり殴ったわ!



  ゴンっ!



「あれ?……なんともないんですか?……痛くない?」


「ちーっとも……平気よ!ヘーキ、ヘーキ、ヘーキやケンちゃん!」


 あれ?殴られて変になった?また、変なこと口走ってるけど……あー……これは前から……か。




「そーだ!殴ったシーちゃんセンセの手は、大丈夫だった?」


「おーマナ!私の手の心配をありがとう……でも、平気だ。こっちも、何とも無いぞ!」


「所長、これはどんな仕掛けになっているんですか?」




「実はね、このコスチュームは、完全防御磁場を作り出しているんだ」

「何ですか、完全防御磁場って!」


「前に説明したが、このコスチュームには太陽電池が編みこまれていると言ったよね」

「はい、それで電気を起こして、冷却すると……」


「さすが、部長さん、よく覚えていたね。

 その発電した電気で、強力な超電磁のバリア壁の様なものを体の周りに作り出して、相手の攻撃を防いでいるんだ。

 ……これで、このコスチュームを着てればケガやダメージの心配は無いんだ」




「さすがです、所長さん。このコスチュームは、まさに戦いのためのものなんですね」

「さすが上杉部長、よく分かっている。私が見込んだだけはあるな」


 なんか、地球温暖化研究所の所長さんとミー先輩が意気投合しちゃってる……このままじゃ、戦いへまっしぐらだわ。




「ラッキー!……これを着ていれば、マナのゲンコツも平気って訳だね!」

「あ~、アッツはモー(#^ω^)……」


 ……エイ、ゴン✊


「痛ったく、無いもんね~」



 まったく…………まあ、あたしの手も痛くないから、……ま、いっかー。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇一休み!

https://kakuyomu.jp/users/kurione200/news/16818023212337396917

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「じゃあ、最後の説明をするぞ!」


「え?まだ、何かあるんですか?」

 あたしは、呆れてしまった。こんな、小さな水着に、どんだけ仕掛けしてんだか、きっとこのおじさんは、マニアだわ!


「このコスチュームは、戦闘を行う時にだけ着て欲しいんだ。

 まあ、さっきやったように“チェインジ”すればいいんだが…………普段もこれを着ていると、太陽電池が過剰発電をしてしまって、体が凍えてしまうんだ」



「うわーー、こんな所に弱点が……」

 うーん、マニアには有りがちよね。



「だから、戦いが終わったら、“チェンジ”を解いてくれればいいんだ…………合言葉は『チェインジ オフ』だ」





「ヨーシ、みんなやるそ!」


 あれ?またシーちゃんセンセが、先走ってる~あ~待ってよ~



≪……オンダン ファイブ チェーンジ オフ!……≫ 



 うわあ、また、体が光に包まれたわ。前が見えないよ~




「まあ、30秒ぐらいで、コスチュームは腕のオンダンウオッチに吸収されてしまうんだ。

 衣装はもちろん、髪の色なども元に戻る…………だから、“チェンジ”を見られないようにすれば、君達の秘密も守られるという訳さ」




「きゃあああああーーーーーーーーーーーーー!!」



「シーちゃんセンセ!どうしたの?」


「わ、わ、わた……しの、水着が…………いやあああああああーー」



「ああ、言い忘れたが、“チェインジ”を解くと、コスチュームはすべて収納されてしまうから、はじめから身に付けていた水着に戻るんだ

 …………でも、コスチュームの下に何も付けていなければ、“チェンジ”を解くと、“すっぽんぽん”になるから気を付けてくれ👍」



 あー、さっき段ボールから出したコスチュームを着る時、シーちゃんセンセは、ご丁寧に自分の水着を脱ぎ捨てていたもんなぁ~。


ぁぁ~ご愁傷さまで~す!


 それにしても、やっぱり“マニア”だ!





(つづく)

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