第11話 誕生!?・

==これは、地球温暖化に立ち向かう、純真な高校生たちの物語である==



「それじゃ、このコスチュームの本当の姿を見てもらおうかな。…………湖路奈ころな君、準備をお願いするよ」


「はい、所長!」


 へー、コロナって言うんだ、彼女。立ち上がったところを見ると、益々カッコ良さが伝わるな…………どことなく、ミー先輩に似てるから、なおさらカッコ良く見えるし~。

 それにしても、あの頭に付いている…………気になる~




「所長、この部屋のセキュリティーを確認しました。盗聴、盗撮、電波発信など一切検知されませんでした」


「うん、分かった。念のため、窓のカーテンも閉めてくれ」


「はい、所長!『壁に耳有り、障子に目有り、カーテンの向こうにカメラ有り』ですものね!」


「う、うん?……そうだっけ?……お前、どこでそんなこと覚えたんだ?」



 んー、なんかコロナさん、いたって真面目そうなんだけど、しゃべると面白いかも?




「う、っん!……じゃ、始めるとしようか…………。

 今皆さんは、僕がプレゼントしたコスチュームを身に付けてくれていると思うが、実はこれは本来の姿じゃないんだ。

 コスチュームに同封されていたダイバーズウオッチを付けてくれているかな?」



「あ、あ、や、やっぱり…………ダイバーズウオッチだ、だったん……ですね。ウレシー!」


「ああ、先生にそんなに喜んでもらえるなんて、僕も作った甲斐があったなあ~、特に先生はリーダーになってもらうんで、頑張ってください」


「え?え?……わた、わたし……が、リーダー?」



 おいおい、この所長、シーちゃんセンセがリーダー?……無理だって……。やっぱり、リーダーは、ミー先輩だろう?……?……何のリーダーだ?



「まあ、それは、後々というこで…………さあ、みなさん、立ち上がって、“オンダン ウオッチ”を填めた手を真っすぐ上に付き上げて叫んで下さい」


「オンダン ファイブ チェーンジ アップ」


 あたし達は、言われるまま、みんなで復唱した。



≪オンダン ファイブ チェーーーーンジ アーーーーップ!!!≫




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆アイキャッチ!

https://kakuyomu.jp/users/kurione200/news/16818023212227711624

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆挿絵です。一休み



 眩い光が、ダイバーズウオッチ(え?これ、“オンダンウオッチ”って言うの?)から四方に広がった。

 あたし達の体が、光に包まれると、あたし達の水着の色に合わせて、体の色が変化してきた。

 あたし、岡崎真夏美は、“水着がピンク”なの。……髪の毛がピンクに変わった。それから、瞳の色もピンクに。

 もちろん、ビキニの水着もパレオもピンクになった。

 それから、首に巻いていたスカーフが、いつの間にかTシャツスタイルになっていた。ただ、少し短めで、胸元も開いているので、下に来ているビキニがちょっとだけ見える。

 長めのブーツと手袋もピンクに染まっていた。


「お、お前、誰だ?……マナか?」


「そういうあんただって、アッツなの?……ウプッ……真黄色って、似合ってる~氷カレー好きだもんね!」


「何言ってんだ、マナだって冷やしカレーが大好物だろ?」


「えーー、女子は、イエローにはならないの!……それより、ミー先輩、そのスカイブルーは、素敵!髪の毛までブルーなんて」


「ムネセンセだって、全身真っ赤で、カッコいいです…………あー、だからリーダーなんですね!納得だ!」


「ふん!そうだろ!アッツ、マナ、よろしく、頼むぞ!!」


 え?シーちゃんセンセ、なんか自信たっぷり?いつもと違う!





 ん?コスチュームをもっらたのは、うちの同好会4名のはず。でも、今、ここには、5人いるし~


「そう言えば、あなたは、何方どなたですか?全身グリーンの……」


 ミー先輩が、目の前の人に尋ねた。

緑のツインテールで、…………頭に猫耳?………あ!


「あなたは、コロナさんですか?」



「そう、ウチが“正義の戦士 オンダン グーリーン”こと、地球温暖研究所 所長助手 真紅野湖路奈まっかの ころなだ!ヨロシク シク シク シク三十六!」



「おい、湖路奈ころな、お前は黙っていればいいのに、しゃべると一言多いぞ」


「あ、どーも、スミマセ~ン、ショウカセ~ン、センブリダイコン!」




「まあ、いい━━( ̄― ̄*|||━━

…………とにかく、これで“オンダン V(ファイブ)”の誕生だ……おめでとう!」



「「「「 えーーー? オンダン ファイブ? 」」」」




(つづく)


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