第10話 嬉しい知らせ・

==これは、地球温暖化に立ち向かう、純真な高校生たちの物語である==




「お、おそ、く、……なりまし、した。す、すみま、せ、せ、せん」


 シーちゃんセンセは、校長室に入ると、いつも以上に緊張していた。


「いや、構わんよ。お陰で、私も、いろいろな話が聞けて、勉強になったしね。……ね、所長」


「こちらこそ、聞いていただき、感謝いたします」



 校長室には、いつもの話が長い校長の他に、“所長”と呼ばれた若い男の人と、その隣に美人の女の人が、座っていたんだけど、あたしは思わず二度見してしまったの。

 なんとそのお姉さん、とっても美人でスタイル抜群なんだけど、…………あ、頭に、アレがあるのよ!

 だけど、今は、大きな声を出す場合じゃないし、会ったばかりで、質問するのもどうかと思ったので、黙ってた。



「紹介しよう……こちらは、“地球温暖化研究所”の所長さんで、夏野太陽さんだ。

 今日いらっしゃったのは、君達の同好会応募した“地球温暖化に対する研究論文”が、見事入選して、その報告にいらっしゃったんだ」


「え?あの論文が入選したんですか!」


 ミー先輩は、座っていたソファーから飛び上がって、嬉しそうに涙ぐんでしまった。


「部長!良かったね。おめでとう」


 何言ってるマナ、あの論文は、みんなで完成させたじゃないか。みなの成果だぞ!


「う、うん……ありがとう、ぶっちょ~おおお(´;ω;`)ウゥゥ……」


 あたしも、嬉し泣きしてしまった。


「アッツ、よ……」


 声を掛けようとしたんだけど、もうボロ泣き🤣していた。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆アイキャッチ!

https://kakuyomu.jp/users/kurione200/news/16818023212186878878

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆挿絵です。一休み




「…………あ、あ、もう、落ち着いたかね?……」


 気が付けば、地温研同好会のみんな(顧問のシーちゃんセンセも含めて)は、校長室で喜びの大泣きをしてしまっていた。


「は、はい。もう大丈夫です」


 やはり、ミー先輩が、最初に立ち直り、いつものクールな感じに戻ってきた。



「それで、所長が君達にお話があるそうなので、私は失礼するから、後は胸山先生よろしくお願いしますね」



 そう言うと、校長室には“地球温暖化研究所”の所長さんと女の人と“地球温暖化研究同好会”のあたし達だけになっちゃった。



 早速、ミー先輩は、自己紹介をした後、同好会のメンバーを紹介してくれた。まあ、顧問のシーちゃんセンセはいるけど、一人でアワアワしていて、ただ落ち着きが無くなっていたので、すべては部長のミー先輩が話を進めてくれた。







「君達の論文は、佳作に入ったんだ。僕は、審査員の一人だったけど、そんなに権限が無くて申し訳ないことをした。

 僕は、あの論文は、最優秀賞をあげてもいいと思ったんだ。ただ、他の審査員が、あの論文のすばらしさを理解できなくてね……」



「そ、そうなんですか?……でも、そう言っていただける方が、いるだけで、私達は嬉しいです」


 本当に、ミー先輩の対応は、大人だと思ったなぁ~。あたしだったら、『えええー!』とか、叫んでしまいそう。

 それにしても、この所長さんも、落ち着いているなあ。隣の女の人も、一言もしゃべらないし。



 暫くして、所長さんが、また静かに話し出した。


「だから僕はね、君達にプレゼントを贈ることにしたんだ。……」


「「「「……プレゼント?……」」」」



「気に入ってくれたかい?…………そのコスチューム」



「え?これ、所長さんのプレゼントなんですか?」


「ああ、良ければ君達にプレゼントするよ…………」


「もちろんです、僕ぜったい、欲しいです。……あの、僕が欲しいのはもちろんなのですが…………これを女の子達に来てもらうのが、………ぼ、ぼ、僕は嬉しくって……」



 あ、また、アッツは、余計なことを言ってるし、あっモー(#^ω^)


  =ごんっ!✊😠=


「痛って!何すんだよ~」


「うっさい、黙ってなさい、アッツ!」



「まあまあ、気に入ってくれたなら、それで良かったよ。…………じゃあ、これからそのコスチュームの本当の姿を見てもらおうかな?」



「「「「……本当の姿あぁぁぁ?……」」」」




(つづく)

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