第9話 呼ばれてた?・

==これは、地球温暖化に立ち向かう、純真な高校生たちの物語である==





「ところで胸山むなやま先生、その段ボールはどうしたんですか?」


 部長のミー先輩は、いっつも冷静なの。もらったものは、しっかり身に付けているんだけど、その話し方は、いつもと同じで淡々としているのよね。

 そんなところも、あたしはダァ~イ好きなのよね!


「えっと、えっと…………そうそう、ここへ来る途中、校長室の前でね……よ、呼び止められて…………急にこれを渡されて……???……あれ?何か、わ、わ、忘れて……い……るよう……な……………?………」


「ムネセンセ!しっかりしてくださいよ!顧問なんだから……」



 アッツが、何か文句を言っているんだけど、それは普段あんたが言われていることだよね…………まあ、今日は黙っていてあげるけど……?


「シーちゃんセンセ!……大事な事だったら早く思い出してよね~」


 あたしも、一緒にセンセを責めちゃった!でも、平気なのよね。センセは、そんな事じゃ絶対に凹まないの!

 普段は大人しくて、あたしなんか、時々先生扱いしなくて、友達のように話し掛けちゃうけど、ちゃーーーんとセンセもあたしをお嬢様のように扱ってくれるの!



 え?“お嬢様扱い”は変?…………いいじゃん、シーちゃんセンセだって、話ができて嬉しそうなんだもん!



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆アイキャッチ!

https://kakuyomu.jp/users/kurione200/news/16818023212179672435

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆挿絵。一休み



「あ!!!!!」


「お、胸山先生、思い出したか?……じゃあ、早く教えてくれ!」


 部長は、黒のビキニの上からブルーのビキニを付け、足にはブルーブーツ、それにブルーのレースで作ったパレオと上着も身に付けて、堂々と部室に置いてある事務机の椅子に座って、足を組んだ。


 本当に堂々としていて、大好きなの!


 あたしとアッツ、それからシーちゃんセンセは、部室の中央に置いてある、応接セットに腰を降ろした。安っぽいビニール製のソファーで、中央に冷水ミストの噴射口があるテーブルがセットになっていの。


 もちろん、あたし達も貰った(まだ貰ったかどうかは、はっきりしないんだけど……欲しいなあ)ものをミー先輩と同じように身に付けていたのよ。

 あたしの色は、もちろんピンクよ。アッツは、イエローなの(何となく、わかる~)。シーちゃんセンセは、やっぱりレッドなの。



 みんなで落ち着いたら、センセがおもむろに話し出した。



「えっと、えっと……校長先生が…………『これを着たら、すぐ校長室に来なさい』って、言ってた……よ、よう、な、気がする」



「「「えーーーーー!ゆっくりしてる場合じゃ、ないよーーーー!!」」」




(つづく)


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