第5話 常識・

==これは、地球温暖化に立ち向かう、純真な高校生たちの物語である==




「マナ、お前それ好きだよな~」


「何よ、アッツ。余計なお世話よ!……あたしは、いつでもこの“やしカレーライス”が好きなの!イベントの時は、これって決めてるんだから!」


「あーはいはい、…………でも、俺はやっぱり“こおりカレー”だよな~。夏は、これに限るんだ!」


「アッツは、すぐ“こおりもの”ばっかり食べるんだから、モー(#^ω^)。

食べすぎると、お腹壊すから、ちゃんと“冷やしもの”を食べなきゃダメよ!」


「あー、マナはすぐそうやって言ってくる。俺の母ちゃんか?お前は……。

見てみろ!周りを。

 誰だって、夏服になったら、“氷もの”を食べたくなるんだよ!“氷カレー”に“氷ラーメン”、それに“氷豚丼こおりぶたどん”が定番だぞ!」



 確かに、学食の様子を見ると、みんな“氷もの”を注文しているなあ~。でも、あたしは夏でも“冷やしもの”を食べるの!だって、あのめっちゃきれいなミー先輩だって、“冷やしもの”が好きなんだもん!


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆アイキャッチ

https://kakuyomu.jp/users/kurione200/news/16818023212169138649

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆挿絵です。一休み




 今は、夏と冬っていってもそんなに季節に変化はない。かろうじて冬の方が、太陽の高さが低くなるくらいで、気温は大して変わらないんだ。

 おまけに、昼と夜の気温も変わらない。昼は、明るいってだけ。

 

 変な世の中になったと、母さんや父さんは言うけど、あたしにしてみれば、これが普通なの。


 もちろん、水着で生活するのも普通。誰もが、水着だから恥ずかしくなんかないのよ。みんな、イヤラシイ目でも見ないもん。

 返って、昔あった“服”って着てると、“イヤラシイ”って見られるのよね。


 隠れて、“服”を着て遊んでいる人がいるらしいけど、見つかったら軽犯罪になってしまうんだもん。





「お?マナとアッツじゃないか。2人で昼食か?」


「あ!ミー先輩。いつもはお弁当なのに、今日は珍しいですね。どうしたんですか?」



「なーに、今日から衣替えだろ。やっぱり、今日は“冷やしカレー”かなって、思ってさ」


「さすが、ミー先輩!アッツ、見なさいよ。やっぱり、“冷やしカレー”じゃない!」


「あー、もうわかりました。あなた達は、“冷やしカレー”が、最高なのね!」



 そうそう、分かればいいのよ。この、程よい冷たさがいいのよね~“氷もの”だと、こうはいかないのよ。…………まあ、たまにならね、いいけど。




「じゃあ、今日は、食べ終わったら、一緒に“地温研”に行くか?」


「「はい、もちろんです、部長!」」



 この虹ノ森高校は、通常の授業は午前中で終わる。だって、この暑いのに、一日中勉強なんかやってられないもの。

 午後は、それぞれのサークルや同好会など“部活”が中心になる。

 もちろん、この“部活”も必修になっているので、全員何かの活動はしている。



「「さあ、今日も地球の平和の為に頑張るぞ~!」」




(つづく)


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る