第4話 冷水ミストの功・

==これは、地球温暖化に立ち向かう、純真な高校生たちの物語である==




「じ、じゃ、あ。……ホーム、ル、ルームを……は、始めますね。……いい?」


 やっぱり、シーちゃんセンセだ。



「そ、それで……は、出席を……と、と、取っても……いいですか?」


「いいよー、シーちゃんセンセ~」





「****」


「はい!」


「****」


「はい!」




 あ~これ?……これはね、個人情報保護の伏字じゃないよ。ただ、シーちゃんセンセの声が小さいだけんなの。


 みんなはね、もう慣れてるから、出席番号の順に返事をしてるだけ。え?欠席でも代返できるだろうって?

 そんなことしないよ、だってみんなシーちゃんセンセが大好きだもん。



 あんなに美人で、スタイルも良くて、ド派手な水着も平気で着れるんだけど、いっつも自信なさげで、あたし達に気を使っているの。

 このギャップがいいのよね!男子なんか、イチコロなの。


 ただね、本人は、まったくその事に気が付いていないよね~




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆アイキャッチ

https://kakuyomu.jp/users/kurione200/news/16818023212168879857

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆挿絵です。一休み



「えっと……今日から、な、夏服ね……また、き、気温も……上がる季節……ね。……だ、だから、教室の……ミストも、少し、あ、上げても…………いい……かな?」



「ムネセンセ!大丈夫です。さっきミストを50%にしておきました。後は、自動運転にしたので、気温に合わせて、ミストの温度も調節してくれます」



 さすが、委員長、やることが早いね~



 通常“冷水ミスト”ってね、季節に合わせて噴出する量を変えるのよ。これから夏になって気温も高くなるから少し上げるのね。

 メモリは、無段階なので、大体の割合でメモリを調整するの。


 後は、噴出する“冷水ミスト”の温度ね。


 今はね、ほとんど雨は降らないのよ。あ、違った……雨は降るの、でもね人間が生活できそうな環境の所では降らないの。


 だけど、“冷水ミスト”があるから、乾燥も防げるのよ。


 今、地球上で雨が降っているのは、赤道付近だけ。

 そこは、年中雨が降っているの。


 でもね、赤道付近だから、気温もすごく高くて、とっても人間が住めるような場所じゃなくなったわ。

 だけど、この赤道付近の雨は、海の水を減らないようにしてくれているのよ。


 だって、“冷水ミスト”って、この海の水を科学的に分解して、真水を精製して使っているの。もし、赤道付近でも雨が降らなくなったら、“冷水ミスト”だって使えなくなるわ。

 そうなったら、人類はお終いよね。




 え?“冷水ミスト”が使えなくても、クーラーがあるだろうって?



 ダメねえ~。そんな考えだと、この異常気象の温暖化した地球では生きていけないわよ。

 


昔は、クーラーも使っていたんですって。

 でも、年中、どこでもクーラーで、体を冷やしていると、大体1ヶ月ぐらいで、みんな具合が悪くなるんだって。



 そうね~今から50年くらい前に、全世界の人口は、クーラーのせいで40%に減ってしまったの。


 その後、ミストが発明されてから、ようやく人口の減少はストップしたのよ。







「なあ、マナよ~、さっきから誰とブツブツ話してんだ?」


「何よ!あたしの勝手でしょ。モー(#^ω^)」



「いやあ、そろそろお昼だから、食堂へ行かないか?」


「え?お昼?……もうそんな時間?……」



 じゃ、この続きは、食堂で話すわね!



「さあ、アッツ、夏服最初のお昼は、“冷やしカレー”にするわよ!」




(つづく)




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