第2話 服装検査・

 ==これは、地球温暖化に立ち向かう、純真な高校生たちの物語である==




 どうしてあたし達の制服が水着なのか?ですって?


 そんなの決まってるじゃない。法律で服装が決まっているからなの。


 地球温暖化が始まって何十年くらい経つのかしらね~あたしが生まれた時なんかは、もう服は水着しかなかったのよ!


 それはね、この地球温暖化に対抗する秘策として『冷水ミスト』っていう発明をした博士がいるの。この日本にね。

 博士は、いたるところにこの『冷水ミスト』を設置すれば、『人類は今までと同じように生きて行ける』ってなんか有名な賞をもらったの。


 簡単に言うと、『冷水ミスト』って、冷たい霧の噴射が常時行われているということなんだけどね、とっても気持ちいいの。水分補給も肌からできるし、汗を掻いてもすぐミストで流れるので、変な匂いもしないよね。


 もちろん、乗り物の中にも付いているわ。このバスにもね。


「ところで、アッツは、きちんとカバンの防水はしてるよね」


「もちろんさ。

 今は教科書もノートも、電子媒体だけど、本体に防水加工されているから安心なんだ。でも、持ち運びするのにどうしてもカバンが必要だもんな」


「そうそう、この間、アッツなんか防水ボタンを押し忘れて、気が付いたら、カバンの中に水が溜まって重くなっていたじゃない」


「ふーん?そんな事もあったかなぁ~」


「何、とぼけてんのよ、アッツなんか、いっつも防水忘れるから、髪の毛もペタってくっ付いてカッコ悪い時があるのよ」


「そう言えば、マナは髪の毛どうしてるんだ?」


「平気よ、今は美容院で髪の毛一本一本に防水加工をしてもらうから、1ヶ月はミストを浴びても普通のヘアスタイルを保てるのよ。

 それに、あたしはショートだからね。ミー先輩なんか、あんなに長い髪の毛だから、きっと苦労してるのよ!」



「へー、女の子は、大変だよな~」



 まったく、男の子はそういう事には疎いのよね~。筋肉やスタイルには興味を持つくせに、まったくモー(#^ω^)。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆アイキャッチ

https://kakuyomu.jp/users/kurione200/news/16818023212168154096

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆挿絵。一休み




「ところで、お前達は大丈夫なんだろうな?」


「え?ミー先輩、何がですか?」


「決まってるだろう、今日から夏服への衣替えだから、校門で服装チェックだぞ」




「大丈夫ですよ、俺なんか20%以下ですからね」


「ば~か、アッツ。表面積だけじゃなくて、装飾や布地の厚さなんかも検査されるんだぞ!…………そうか、1年生は夏服が初めてなんだなあ」



「そんなぁ~ミー先輩。もしダメだったら、どうなるんですか?

 ……その場で、水着没収なんて……いやあーーん、あたし恥ずかしくて、一日裸で過ごすのは、いやああ~」



「マナ、お前も極端だなあ。

 裸で過ごすはず無いじゃないか。そん時は、学校にあるダサいビキニと着替えなきゃならないんだよ」


「ど、どんな、水着なんですか? (●ˇ∀ˇ●)」


「何、アッツ興奮してんだよ。

 ……いたって普通の水着だよ。

 ただな、色が茶色だったり、グレーだったり、レースのヒラヒラが付いていたり、胸に赤いリボンが付いていたりと、まったく恥ずかしいデザインなんだ。

 なんせ、20年くらい前から学校に保管されているものらしいからな」



 何?アッツ。ガッカリした顔して、知ってる?男子は、褌だって!

あたしは、知ってるんだ、男子のだけは情報をしっかり集めないとね。うふっ!




(つづく)


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