第50話 霊界タワー

【零、英二くん。体力回復したからね。じゃ手を繋いで。ルックを離さないでよ。連続するから】


【はーい】ルンルン♪


 英二、お前は何故そうストレートなんだ?琴美は俺の彼女だぞ。


連続?連続って琴美言わなかった?


※テレポート※



……………………………………………………………



※キューン🐕…※  ルックも酔ったかな?


【ルックちゃんごめんね、もう一回だけね】


※キューン🐕…※


※テレポート※



……………………………………………………………



【うっ…気持ち悪い…ちょっと待ってくれ】


英二、そうなるよな。俺は今回何ともないが。


さっきので耐性ついたかな?


何で連続したんだ?琴美。何かあったのかな?


【やっぱ、そうだ。ここに聖奈さんがいる】


ここは、霊界タワーの近くのファミレスだ。


パニックワールド行くことはないよな?


※キューンキューン🐕※ 聖奈お姉ちゃん〜


【英二くん、どうする?動ける?】


【駄目っす〜気持ち悪い〜無理…おえっ…】


【じゃ、ファミレスで休んでいて】


懐かしいね、ここで友奈も休んでいたね。


友奈?そういえば、友奈は家にいるのか?


聖奈のことばかり気にしていた…


琴美と俺は二人で、


【聖奈、なんでこんな場所に?俺には懐かしい場所だけど。それに友奈のことも心配になってきた】


【大丈夫!!ほら、ブレスレット重ねて】


 光の方向がすぐ近くに集まってる。それに今回はほとんどブレない。だとすると、霊界タワーに。


琴美は、


【こういうことなんだよね、結局、無理が発生するね。そもそもこういうことも磁極の反転したことが原因だから。嬉しいこともある反面、そうでないことも。それに、友奈でしょ?大丈夫!!家の中にいたよね?それなら問題なし…たぶん】


その根拠は?たぶん?


【俺は琴美と会えたからね、霊界と重なってさ】


【そうなんだけどね、聖奈が…】


【琴美のせいじゃない。それにもう近いでしょ?聖奈に会えるよね?】


【うん】


【ところで霊界タワーって何なの?俺、パニックワールドしか行ってないけど】


【霊界の統括場所みたいな、それぞれの治安維持も職業安定も観光もほぼ全てが揃ってる】


【そうだったんだ。確かに霊界って自然いっぱいで開発されてる感じしないよね】


【現代の地球の環境破壊を教訓にしてるの。開発はよほどのことが無ければ認められない。それにテレポートもエコでしょ?疲れるけど】


エコなのは解るけど。酔うけどな、友奈は特に。


※キューンキューン🐕※ 聖奈お姉ちゃん〜


【あっ!!聖奈】


良かったよ~無事だ。


聖奈、何かゆっくり歩いてきて…


あれ?そんなに心配してないのかな?


【聖奈!!探したよ】


聖奈、目線がおかしくないか?どこ見てる?


【はい?どちら様でしょうか?】


 何ふざけて、さてはパニックワールドにでも行って来て、俺を驚かそうと…甘い!!


【聖奈、その手には乗らないよ〜とにかく帰ろう】


琴美は、俺をひっぱって、


【零、ちょっと待って!!!何かおかしい!!】


【何が?とにかく帰らないと】


※キューン…キューン🐕※ おかしいよ…聖奈お姉ちゃん。


【聖奈、ちょっとふざけてる場合じゃ…俺達心配してここまで来たんだよ】


聖奈の腕を掴むと、


【嫌、離して!!誰なんですか?あなた達…それにそのワンちゃん…可愛いけど、あなたが飼ってるの?】


※キューンキューンキューン…🐕※ 解らないの…?


【おい、聖奈。ルックだろ?何?ふざけすぎだ】


【零、聖奈さん何か変だって。おかしいって!!】


変?どう見ても聖奈だろ?


騒ぎを聞きつけた警備員が駆けつけて、


【何だ、どうしたんだ?ただでさえ混乱してるのに騒ぎを起こすと確保するぞ!!】


【ヤバっ!、零、ルック🐕抱っこして、行くよ〜】


※テレポート※




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