第47話 テレポート

 俺達留守番だね。混乱した世の中…ニュースもそのことばかり…交通障害は続いている。


※キューンキューン🐕※ ルックどうしたの?


何か…友奈のとこに行った聖奈が気になる…


よし、俺も行こう!!


ルックも何か感じたよな?聖奈大好きだもんな。


【ルック、ちょっと抱っこするよ。散歩じゃない。寂しいだろうから連れてくけどさ】


※キューン…🐕※ ショボーン… 


散歩がしたいのかな?さっきしてないもんね。


よし、散歩の兼ねて行くか!!


【じゃ。散歩だ!!ルック。ちょっと早足でね、聖奈が心配なんだよ】


※キューンキューン🐕※ ランラン♪ありがとう


 やっぱ、話したよな?間違いなく…前から気になっていたがルック…話せるのか?それともそら耳…


【ルック?俺の言葉解るの?】


※キューン?🐕※ 何のこと?


どうしても話してる気がする。


とりあえず、散歩。でも急ぎ足でね。


外に出たとたん、俺は立ち尽くした。



……………………………………………………………



マジ……か?…何で?ここに?



【零、会いたかった〜】


※ギュー!!!※ 琴美…


ここ、霊界?違うはず。


※キューンキューン🐕※ 僕も抱っこ〜


【琴美!!本当だったんだ。本当に起こったんだ】


【零〜〜〜もう、信じてなかったの?ルックちゃんだっけ?もう可愛い〜可愛すぎ〜抱っこ〜】


※キューンキューン🐕※ ランラン♪


【琴美、霊界じゃないのに本当の琴美だよな!!琴美〜〜〜〜〜】


※ギュー〜〜〜〜※ 会えた!!!


※ガルルルルル!!🐕※ カブ!! 痛っ!!!


【ルック、俺なんかした?何で?噛まれるんだ?】


【零、相変わらず抱きつき癖…見てるってみんな】


あっ、ごめん。


 琴美に霊界で言われた、また会えるって確信していた琴美のことも、不思議に思っていた。


琴美、俺の眼の前にいる。ここは霊界じゃない。


現代、生まれて育ってきた場所だ。



……………………………………………………………



現代と霊界が重なったっことか!!


 あちこちで人々が大騒ぎ、大喜びしている。それはそうだね。だってこんな嬉しいことないよね。


 会いたかった。もうこの世にいない人々が戻ってきたんだ。奇跡だ、これは何よりも喜びの奇跡。


【零、私は何とか会えたけど、逆に霊界の場所に引き込まれた人も…全て良かったとはならないよ。ねっ、みんないる?零に関わる人々ちゃんといる?】


そうだ!!聖奈。


【友奈のとこに行った聖奈が、何か胸騒ぎがして!!俺の両親達も確認しないと。とにかく連絡…もう繋がらないんだよ、何でだよ!!もう!!!】


【零、落ち着いて。私が必ず見つける。でも友奈のとこに行ったんでしょ?まずは行ってみよ。それ、そのブレスレット私のと重ねて】


ああ…これ…ずっとつけていたね。何かに使える?


琴美と重ねると、光が三つの方法に放たれた。


こんなこと出来るんだ。とっても綺麗だ!!


琴美は、


【近い場所から飛ぶから。とりあえずこの方向に行ってみよ。手を繋いで】


※テレポート※


ここでも使えるのか?テレポート。



……………………………………………………………



【お袋!!良かった〜無事だった〜】


普通に忙しく働いている。


【こら、零、あんた職場は明日からって言ったでしょ?どうしたの、その表情?ただ事じゃないみたいに。それにその娘は?】


【とにかく良かった〜。この娘、琴美ね、俺の彼女。じゃ後で。帰ってきたら詳しく話す】


【ちょっとちょっと何言ってんの?急に現れて?それにルック🐕こんなとこまで連れてくるなんて!!どうやってきたの?何意味わかんない?】


琴美は恥ずかしそうに、


【はじめまして…お母さん。琴美です】


【はじめまして…零の母です。こんな可愛い娘が彼女なんて、零、早く紹介しなさい。あの、後でもし良かったら家に来てくれたら…】


【今、忙しいんだよ。お袋、後で】


【お母さん、失礼いたします】


 お袋の場所に飛んだのは、お袋が俺達の最も近くにいたってことか。やはり聖奈は、友奈のとこにいないってこと。


【次、手を繋いで。早く】


【琴美、テレポート連続すると】


【いいから早く!!】


※テレポート※



……………………………………………………………



【親父!!!無事か?】


親父、大丈夫だ。相変わらず出張で現場に来てた。


【おい、そこの君!!ヘルメットも付けずに…あっ、お前、零か?何でこんなとこまで。電車動いてないだろ?その娘は?勝手に入ってきてのか?】


【親父、無事か…とりあえず帰ってから説明する。ここ何処?現場?】


【零、何言ってるんだ?こんなとこまで来て、その娘は?】


【あっ、はじめまして。琴美です】


【琴美さん、零の父です。零、お前こんな可愛いお嬢さんいたなら…あっ、ヘルメット!!お嬢さんこちらに来て】


【お父さん、すぐ出ますから、大丈夫です】


【そうですか。是非今度家に来てください…ん、ルック🐕?零、ルックも連れてこんなことまで】


【とにかく親父、後で説明する。じゃ】


【お父さん、失礼いたします】


【はい、気をつけてください。零、お嬢さんに怪我させるなよ】


とりあえず現場から離れて、近くに駅がある。


古びた駅だな。無人駅なのか…


親父…琴美に見惚れてたな…緊張してたな…

 


そんなことより、聖奈!!



【琴美、大丈夫か?】


【うん…ちょっとヤバい…でも聖奈のとこにいかないと…手を…】


※バターン※


【琴美!!】


テレポート連続して、やはり無理したな。


【零、手を繋いで…】


【待て、少しは休もう】


【いいから!!急いで】


※テレポート※


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