第45話 世界

あの夜から数日が過ぎて、電気も復旧、ガスも。


聖奈は結局、すぐに風呂に入れて安心していた。


 両親は翌日帰ってきたが、親父は翌日の夜遅くに。どうも電車の混雑が嫌だったらしいが、その理由をお袋は納得せず激怒してその日の親父は夕飯抜きに。落ち込んでいたが仕方ないね。親父が悪い。この状況で混雑は当たり前だ。


 それに大きく変わったことは見た目ではないようだ。ただ、関係あるのか無いのか地球の磁極が反転したってことだ。


 専門家の対策チームが立ち上がり、原因と今後の影響を調査中だ。航空機、船舶は全ストップ。電車は半数以上に影響が出てる。


 ナビが使えないため、使えても誤差が大きくあっちこっちで渋滞、警察が誘導している。


 ライフラインに影響はないが、このような状況の中で食品関連のお店が機能してるのは凄いことだ。


ただ品薄…というよりも買えるものは制限付き。


 カップ麺、パン🍞、飲料水が先に品薄になっていく。朝から長蛇の列だ。


【零、今日も休み?】


 聖奈はこうなる前に職場の破産を経験してるからね。


【たぶん…そもそも電車に乗ってもいつ着くのか解らないからね】


※ブーブー※


少しは電波入るな。これ、職場のメールだ。


【………】


何となく解ってはいたけど、


【零、何かあった?】


【聖奈と同じ。もともと不安定だったから仕方ないけどね。破産だってさ…俺も】


【そう…こうなる前にきっと決まっていたよね】


【たぶん…しゃーない!!とにかく慌てても仕方ない。なるようにしかならない】


【そう考えれる零、強いね】


お袋は、バタバタ…


【姉弟揃って、家にいるならこっち手伝ってよ!!食料品部門は大変なんだから!!】


【まぁ、とりあえずなら…】

【私も…】


【じゃ、二人来て。バイトしてくれる人ウェルカムだから。明日からね。ほんと来てよね?後でやっぱとか絶対に無しだよ!!】


 お袋飛んで行った。原付バイク危ないな~慣れてないから見てるほうが怖いよ。


【友奈のとこ、行ってみる?】


【そうだね。退屈してるでしょ。きっと】


二人で近くの友奈の実家に。


※ピンポーン※


※ガチャ※ 友奈のお母さんだ。やはり自宅待機。


【あら、二人揃って珍しい。あがってあがって。こんなことになるなんてね〜友奈もこうなる前に職場破産って…あっ、ごめんなさい。聖奈ちゃんも…】


【いえ、気にしないでください。ちょっとお邪魔しまーす。すみません、こんな大変なのに押しかけてしまって】


【いいの!!いいの。友奈も喜ぶから。退屈してたんじゃないかな。部屋にこもりっきりで】


※コンコン※


【はーい、あれ、聖奈さん…どうしたの?】


【友奈、大丈夫かな?って】


【あっ、零もいたんだ…ちょっと待って!!】


※バタン※ 閉められた…


【友奈どうしたのかな?】


【零には解らないの?待っててあげて】


解らないのって、解からん!!


※ドタドタ…ゴン…※ 


何かぶつけたみたいだな。友奈、何やってるんだ?


【ふ〜、お待たせ〜。入れるよ】


【へー、こんなにいろいろ設備あるんだね!!】


凄っ!!このノートPCの数に、モニターに、


【友奈って、聖奈と違って部屋が近未来的な感じ】


【だからあんなこと出来るんだよ。解る?とっても凄いんだよ私!!零、あのこと聖奈さんは全て知ってるの?】


【少し話したけど、琴美とちょっとね、喧嘩して】


【解る!!あの娘の性格なら、聖奈さんと合わないね。で、琴美と話してる?】


【あの日から話してない。大変なことになったでしょ?向こうからも連絡ない。こっちから連等出来ないから】


【嘘、待つだけ?あり得ない!!連絡すれば?】


【どうやったら出来るんだよ】


【教えてなかった?テヘッ…ごめん】







 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る