第42話 混線中

 聖奈、立ち直ったね。相変わらずゲームでは俺が足引っ張ってしまう。ほんと強いな。オンラインゲームでは聖奈に叶わないや。


※ジジッ…※


おっ、バッテリー回復したか?琴美。


 ちょっと問題。向こうからいきなり繋がってしまうとなると、プライベートないじゃん。


 どうなんだろ?俺から繋げてもって、操作解んない。友奈説明って凄い簡略してくるからな〜


 それにこのノートPCは重いな。スマホサイズにならないかな~これも含め友奈に相談するか。性能のこと言われたら諦めるしかないけどな。


∥ヤッホー、零〜元気?、あのね、今ようやくバッテリー充電出来て…慌てて繋げたけど、何?どうしたの?∥


【琴美…もしかして風呂上がり?】


∥何で解ったの?、もう友奈のバッテリー案外早く切れてさ…∥


【その…下…タンクトップは解るけど】


∥下?、えっ?そんなにカメラ範囲広いの?ちょ…ちょ…一回切る。で、どうやると切れるのよ~これかな?モニターの後ろかな?えーと∥


【琴美!!モニター近づきすぎ!!!】


∥えっ?えーーーーー?見えた?ズボン履いてないの解ったの?零!!ちょっと向こう向いててよ!!∥


何やってんだか…とりあえず紳士だからな、俺。


言われた通りするか…


【零、誰かと話してる?このステージでもうアウトって珍しくない?さっきから聞こえるんだけど?】


 やべっ、そうか、ゲーム中だった。通話があっちこっちに。


【ちょっとゲームストップ!!聖奈、説明するからこっち来て。俺の部屋に来て】


【解った。長くなるよね?コーヒー☕は?】


【どっちでも。じゃ、お願いするよ】


【はーい、美味しく入れてくね】


∥誰?聖奈さん?可愛い声だね。やっぱさ、姉と弟じゃないよ、その雰囲気。はーいなんて普通言わないよね?∥


【俺達そんな感じたよ。これ普通】


聖奈がキッチンから騒いでる。


【零〜!!コーヒー☕新しいの開けるよ〜ストックゼロだからね〜買っといてね】


【解った。今度買っておく】


∥なんか…新婚さんみたい。いいな〜∥


話、交差してめちゃくちゃだ〜


【聖奈…じゃない!!ごめん、琴美、とりあえず着た?】


【零?何か呼んだ?】


聖奈、地獄耳…キッチンだろ?


【何も。コーヒー☕入った?】


【待ってよ。そんなに早く沸かないよ】


ノートPCの琴美がムッとして、


∥………今、間違えたでしょ!!聖奈さんと!!∥


【ごめん。二人と話してるとこうなるよ】


∥普通ならない!!!あ〜あ、やっぱそうなるよね。いいんだけどさ、零のこと解ってるし、これからのこともしっかり伝えておかないとね∥


【それ、重要だから、聖奈来たら話して】


∥解った。それと、さっき見えた?∥


【着替え?反対向いてたよ。見えてない】


∥あー、良かった。もう、ちょーハズいからさ∥


【そういうとこ聖奈と似てる】


∥やっぱ、聖奈さんのこと大好きななんじゃん。この前言ったことなし!!やっぱ正直になっちゃ駄目!!∥


何でそうなるんだよ~正直になれって言ったの琴美だろ〜

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