第41話 本音?
さっきのには驚いたが、ほんと友奈は強いな。職場の破産を何も気にせずに女優目指すなんて。それ向いてるよ。とりあえず家に戻った俺は、
【聖奈〜起きてる?帰ったよ!!友奈と会ったけど…】
※キューンキューン🐕※
【うん、さっきはありがとうね…】
何だよ、その声。元気ないな〜友奈と違い夢中だったもんな、仕事。これだから仕事に生きがいをって問題あるんだよね〜
ノートPCに繋ぎっぱなしで、このやり取りを聞こえている琴美は、
∥聖奈さん、大丈夫なの?友奈と全然違うね∥
【友奈が特別なんだよ。普通はこれが正常。だって破産だよ。途方にくれるよ】
∥当たっちゃったんだ…やっぱ霊界占い師凄っ。あのさ、零、バッテリー切れそう、後でね。友奈バッテリー持つって言ってたのに残0%って…∥
※ヒューーーーーン…※ 切れちゃった…
琴美が言ってた何か霊界占い師とか、なんだとか。詳しく確認出来なかった。
琴美の通信待つしかないね。もどかしいけど。
【零、誰かと話してる?電話?】
【…いや、話してないよ。ところで飯食った?】
【食べたよ。コーヒー☕飲む?】
【うん。聖奈コーヒー☕入れるの美味いから】
【そんなに私に気を使わなくていいよ。でも、ありがとう】
何か、聖奈ってこんな性格だったかな?
さて、ここで出会った人達を比較してみよう。
聖奈…血の繋がりのない姉。優しくて、みんなから羨ましがられる。今回のことで、かなりデリケートな一面も見られた。
友奈…同級生。とにかく活発で、それでいて可愛いからモテモテ。ちょっと調子に乗ってる部分も。メンタル強さが半端ない!!
琴美…霊界に住んでる恋人。ヤキモチ焼きなのだがそれが何とも心地いい。可愛い、ほんとにタイプ。
英二…同級生。最初、友奈のことを気に入っていたが最近は聖奈にモーレツアタック。
んー、英二は置いといて、何とも中途半端な関係を続けているな。これははっきりさせないと。
【零、コーヒー☕入ったよ。ところで何ブツクサ言ってるの?】
【…何でもないよ。聖奈、この家に来て良かった?幸せだった?】
※ガシャーン!!※ あちっ!!!
【ご、ごめん。零、大丈夫?】
【熱かったけど、大丈夫。あーびっくりした〜】
【それ、私のセリフ…急に変なこと言うから】
聖奈は、少しびっくりして、笑って、
【零〜親みたいな言い方。そんなに子供っぽいかな?私…そんなに落ち込んでるように見えるの?】
【それはそう見えるって。それに解るよ、その気持ち。俺みたいに期待されずホウレンソウも無くクレームばかり…そんな日々の俺とは違うだろ?聖奈は楽しく夢中で働いていたじゃん。期待に答えていたじゃん。だから辛いんだよね。お疲れ様でした】
【零…】
これは人としての思い。大好きな姉の苦しむ姿を、もう見たくないっていうその気持ちだ。
両手を広げて、おいでって意味解ったみたい。
そして自然と飛び込む聖奈。
【零〜安心できるよ。いい匂い。不安だった、これからのこと。零がいてくれたから、踏み出せる。零も大変だったんだね。どうしようもない職場で苦労していたんだね】
聖奈をそっと抱きしめて、
【俺はいいよ。人として大事な思いやりを忘れた職場に未練なんてないから。あのさ、俺、ルック🐕の散歩帰りで汗かいて…臭くない?…】
【臭くない!!じゃ、もう暫くこうして。甘えん坊、聖奈発動中。零〜だ~いすき!!!あっ!!】
今、ぼそっと言ったよね?弟としてだよね?
でも、聖奈、何か可愛い…琴美ごめん、これ浮気じゃないよ。それにしても…
ドキドキ💗ドキドキ💗 聞こえるよな、鼓動。
【零?ドキドキしてる?変なこと言っちゃったけど、気にしないで。間違えちゃった】
見上げた聖奈、姉だそ!!このことなのか?琴美が言ってたここに戻ったら自分の気持ちか…
聖奈のことなのか?琴美が俺だけに教えてくれてことが起きるなら、後悔しないように。
【聖奈、仕事に全力なんて考えないで。こんなに苦しむ聖奈のこと、見るの辛いよ。無理して笑ってるけど自然と笑える聖奈に戻ってほしいな】
【零…そうだね。じゃ、もう真面目に働かなくていいかも。お気楽に〜てきとうに〜ねっ!!久しぶりにゲームやろうよ】
【そうだね、その笑顔。可愛い!!】
いー子、よしよし。
【ちょっと子供扱い〜、その割にはドキドキしてるよね?んー、どうなの?】
【そりゃ〜、普通だって。普通にドキドキするって。こんなに抱きつかれていたら】
悔しいがあと一歩踏み出せない。
【零、目をつぶって】
何?何?何?
【…いいけど、何?】
【いいから、早く!!】
ドキドキ…ドキドキ…
※ペチーン!!!※ 痛っ!!! デコピン?
【ドキドキした罰〜姉ですよ〜私】
聖奈、デコピン強すぎ!!
元気になったね。聖奈!!
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