第34話 聖奈と英二

…零と友奈を探してる二人…


現代では、聖奈が寝ることもなく探し続けて、


【零、何処に行ったの?こんなに探しても見つからないなんて。携帯も繋がらないなんて】


英二は、慌てる聖奈を落ち着かせようと、


【聖奈さん、落ち着いてください。少し休んでください。友奈も同じようにあの👻屋敷の部屋で霊界に行っただけですから、必ず戻ってきます。さすがに場所は特定出来ませんが】


【英二くん!!それ見たの?本当に霊界に?…】


【見ましたよ!!】


【じゃ、そこで同じようにしてみる。私がやるから。英二くん、連れて行って!!】


【無理ですよ…無茶言わないでください。いろいろあった場所だけに、立入禁止で、入れませんよ】


【じゃ、ただ待つしか無いの?】


【聖奈さん、本当に零のこと好きなんですね】


【うん。養子に来てから不安で不安で…零がいてくれて。今の自分がいる。もちろん両親も優しくしてくれたからだけどね】


【その時に既に気がついたんですね】


【そう。でも姉と弟だって信じていたから。好きの形も違っていたけど、血が繋がらないって知ってから本当の恋愛の対象に…駄目だね、私】


【そんなこと無いですよ。好きって気持ちは大事にしてください】


【ただ想ってるだけでいいの。今は戻ってきてくれるだけでいいの】


【素直に伝えるべきです。戻ってきたら俺が引きずってでも聖奈さんの前に連れてきます!!】


【英二くん、なんでそんなに?】


【それは、俺も負けないくらい好きだから、聖奈さんのこと。でも零も大切な友達だから】


【……ごめんなさい】


【早っ!!!速攻ふられた。もちろん解っていましたけどね】


【違うの。そんな気持ちも知らずに、零のことばかりでごめんなさい、本当に】


【いいんですよ。聖奈さんには元気になってもらいたい、それが俺の願いです】


【ありがとう。ねっ、それ何持ってるの?大事そうにずっと持ってるね】


【あっ、これ、友奈から渡されたんです】


【何のために?】


【あの…なんていうか…霊界の…】


【何?話せないこと?】


【いえ、霊界の出口からの…信じないですよね?俺だって…】


【ちょっと見せて、それ】


【はい、どうぞ】


【何か入ってる、これ、何だろう?…………………ちょっとちょっと、英二くん、見て!!!これ零だよ。零〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!】


【わっ!!どうしたんですか、聖奈さん、大声で】


【こ、これ、これ、れ、れ、れ…えっ!!何で、零?】


【落ち着いて、落ち着いてください。何言ってるか解らないです】


【れ、れ、零…零と…誰この娘?】


【零!!なんで?ん?わっ、可愛い!!誰ですか?】


【それ、私の質問してるの!!知らないのね?】


【はい…この娘、凄く可愛い】


【そんなことはいいの!!零〜〜〜〜〜】


【気が付かないみたいですね。聞こえてないみたい。これ何処ですかね?凄く綺麗な場所ですね】


【零〜〜〜〜〜!!!!!気がついて。お願い!!!】


 今、話しかけてるのは現代。この場所で友奈から英二に渡されたお守りで何故、零たちのことが見れるのだろう?


 ただ言えるのは、霊界の零たちが見えているってこと。何か繋がっていることは間違いない。


これは零たちには聞こえてないみたいだ。


【これ、ある方向に引っ張られていませんか?何か磁石のように。こっちの方向に行ってみませんか?聖奈さん】


【行ってみよう。この方向ってルック🐕の散歩の】



……………………………………………………………



…霊界の三人…


俺と琴美は戻ってきて、留守番の友奈に、


【凄いロケーション、最高だったよ。友奈も来れば良かったのに。酔いは大丈夫?】


【私は用事が、あー、えーと、んーと、薬のんだから大丈夫】


何慌ててんだ?友奈。さては、何か食べた?勝手に。


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