第33話 リミット2

【見つからないように行かないとね、ちなみに、この公園はね…】


 琴美から帰り方を聞いて、俺達は戻る準備をし始めた、それにしても友奈は、まだ少し酔ってる。


【本当に弱いな、テレポートに】


【零が、おかしいの!!私のことはほっといて】


とりあえず、友奈はおいといて、琴美に、


【もう本当に会えないの?】


【うん。でもさ、会える日が来るよ、きっと】


うん。それはそうなんだけどね。


【あのね、零、ちょっとデートしない?】


【うん!すぐ行こう。今行こう!】


【ここね、さすがにここまでは取り締まりないはずだから。無いはずだけど、帰りは状況によってテレポートね。回復したから使えるよ。零なら大丈夫でしょ?問題は友奈だね】


三人でデート?


【デートって、琴美と行くもんでしょ?何で私が、それにテレポートする可能性あるなら絶対に行かない。どんなことあっても行かない!!】


拒否ってる。テレポートそんなに嫌か?


【じぁ、友奈、零を借りまーす】


【飲み物だけ置いといて。食べ物はいらないから。あと薬もちょうだい。暇だから何か本とかあったら出しといてね】


何か注文多いな、友奈。


【解った。じゃ、半日くらいで戻るね】



……………………………………………………………



【何、この景色!!こんな場所あるんだ!!】


 あまりのキレイな景色、数色の色とりどりの紅葉、ソーダブルーに輝く海、無限に広がる空、可愛い動物達、リス🐿、うさぎ🐇かな?


【ここね、私しか知らない絶景ポイント】


【けっこう道のりあったね。歩いててヒヤヒヤしたよ。よく見つからなかったね】


【だって、その格好なら。こっちでは普通だもん】


【俺までタンクトップって…着たことないからね】


【似合ってるよ、少し細いけど。筋トレしてないんだね】


【ごめん。ほとんどしてないね。それにしても、琴美ほど似合う人はいないけどね】


そのスタイル👀それでタンクトップだもんね〜


【零、素直に見すぎ!!友奈をそんなふうに見ちゃ駄目だよ。目線バレバレだよ】


【それ、ヤキモチ?】


【違うって言い切れないけど、零の目って素直すぎるんだもん。どこ見てるかすぐ解る】


【俺の見てるのどーこだ?】👀


【……言わない…言ってもらうの望んでる気がするから、あえて言わない…】


【……なるほどね〜】


 それは琴美、その格好じゃ仕方ないって。俺が悪いんじゃないって。


【琴美、こっちに来てからいろいろありがとう】


【こっちこそ、ありがとう。嬉しかった!!ここに連れてきてくれた友奈にも感謝だね】


最高のロケーションだね。琴美と二人で見る景色。


【このブレスレット…零の匂いがする】


※クンクン※


【ごめん。汗かいたから】


【確かに。だから、嬉しいんだってば。零がそばにいるって感じがしてさ。零の汗だもん。絶対に洗わないでおこうっと!!】


それはそれでちょっと抵抗あるんだけどな。


【俺は友奈のもらっちゃおうかな〜琴美同じブレスレットつけてたいからね】


【友奈がいいって言うならいいけどね。零、戻ったら自分の気持ちを最優先にね】


【気持ち?友奈のことかな?ないない。ありっこない。みんな憧れてた理由すら解らなくなってる。あの性格じゃ仕方ないね。あいつ見た目で得して性格で損して】


【そんな言い方可哀想だよ。それに友奈のことじゃないよ。鈍感なんだよね〜零って】


【俺が好きなのは琴美だけ。変わらないよ】


【ストレートに言ってくれるのは嬉しいけど、帰ってからは自分の気持ちね。何度も言うけど。気がつくとは思うけどね】


だから琴美だけだってば。その証拠に、


※ギュ~※ 痛くないようにそっと琴美を。


いい匂いがする。俺は大丈夫かな?


【零…少し、汗臭いね。嫌じゃないけど】


【ごめん…少しじゃないね、俺。離れるよ】


【いい…零、暫くギュ~っしてて】


もう帰るんだよな、俺と友奈は。


【琴美、離れるのやっぱ嫌だよ。見つからないように何とかするから残れないかな?】


琴美は、ポケットから取り出して、


【零、本当は見せたく無かったんだけど、これ】


スマホ?モニター?タブレット?何だろう…


【これ、スマホじゃないよ。よーく見て】


見覚えのある場所だ。現代の様子も見れるんだ!!


【これはすごい!!これ、聖奈だ。何してんだ?】


【聖奈だけじゃないよ、ほら】


全体も見れるんだね。


【みんな…英二も、親父も、お袋も、何してんだ?その他にもたくさんの人がいるね】


【みんな必死に探してる。零と友奈のこと】


何か配ってるのは、俺達の写真だ。探してるんだ。


【俺達がいた現代が見えるの?これって】


【英二くんがあの👻屋敷から戻って、聖奈さんに伝えたんだね。それでこれが繋がること出来たんだ。でもこのリンクって、そうとう強い想いがないと繋がらないからその強い想いに答えないとね】


【そうなんだ…じゃ俺と友奈に関係することしか見れないのかな?】


【そうなるね。数日くらいかな、あと見れるのは。零、これ見ても戻らないって言うの?それに、ほら、大切な大切なワンちゃん🐕も】


ルック🐕必死に吠えてる…探してるのかな?


不意にも涙出ちゃった。ルックもう吠えるなよ…


 俺と友奈は霊界にきて、楽しんでる間に、みんな必死になって探してくれてるだ…ごめん。本当は何も言わずにごめん。


【零、私とはね、いつか会えるから。そのためのブレスレットをお互いに持ってるんだよ。迷子にならないため】


【それで俺のを欲しがったのか。なるほどね】


【零の身につけていたのを欲しかったってのもあるんたけどね】


このブレスレット、とても大切なものになったな。


今度出会う時に迷わないためのお守り。


必ず会えるから、これがあれば!!!


【琴美、会えるね、この先で】


【必ずね。大丈夫!!!】


もう迷わない、絶対にぶれない!!


帰るぞ。俺達のいた場所に。












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