第29話 リミット6

 俺達はアトラクションのある霊界タワーを後にして、


【危なかった~零、寝ててくれて良かった】


少し起きてはいたけど、俺。


【何か警備員らしき人来たよね?】


あっ、やべ…ついポロッと。寝てたことなってた…


琴美は、


【起きてたの?】


バレちゃった…


【うん…ごめん。ちょっと前くらいに】


琴美は赤くなって…照れてる?


【いつから?もしかして膝枕…何でもない…】


ここは俺は知らなかったフリだね。


【膝枕って?】


【だから、何でも無いって!!】


琴美は恥ずかしいのかな?俺は嬉しかったけどな…


うつむいた琴美も可愛い。琴美、ハッとして、


【あっ、友奈。ファミレスにいる!!戻ろう。手を繋いで!!!テレポート!!】


【そうだね!!ヤバいな】


さっきの警備員、ファミレスに行ったら大変だ!


※テレポート※



……………………………………………………………



相変わらず俺は平気だ。全然酔わない。


琴美は、走り出し、友奈のところへ。


【友奈〜!!】


【何…モグモグ…早かった…モグモグ…ね】


友奈、何呑気に食ってんだよ。


【ここのステーキ、美味すぎ!!】


琴美は、


【あー、良かった〜】


何も知らない友奈は、


【何が?二人は休憩?私も行こうかな?霊界タワー】


事の重大さを解ってないな。薬も効いたみたいだ。


【零、友奈、ちょっと私の家に来て。早く、手を繋いで!!】


友奈全力否定!!


【ステーキ食べてるのに。それにやだ!!テレポートは。歩いていく】


【大変なの!!早く。急いで】


【やだ!!せっかく良くなったのに~】


【零、何とか言ってよ〜友奈にさ】


俺が説得するか…無理だろうけど。


【友奈、大変なんだって、俺もよく解らないけど】


【解らないなら別に急がなくても。私は歩くって言ってんじゃん!!】


駄目だ…聞く耳持たん。こうなったら、


【キャ!!何、何?零ちょっと〜】


お姫様だっこしかない。


【琴美、これで俺と手を。行けるよな?】


【行けるけどさ…ムカつく!!何かムカつく!!】


※テレポート※



……………………………………………………………



【おえっ…だから、やだったのに〜零、ひどい〜】


友奈、今回も辛そうだ。琴美は、


【とりあえず薬飲んで。はい。じゃ、説明するね】


【おえっ…気持ち悪…さっきよりも…】


友奈、それどころでないみたいだ。


【私のことはいいから…おえっ…勝手に…おえっ…うっ、トイレ、トイレどこ?】


琴美はため息ついて、


【はぁ〜突き当たって右に】


友奈フラフラ😵


【何でこの家…おえっ…こんなに広いのよ…】


 あれは当分戻ってこないぞ。戻ってきてからのほうが恐ろしいな。怒られるぞ〜俺達。



……………………………………………………………



【琴美、このことは友奈には後で俺から話しておく。さっきの警備員、俺達怪しまれてないよね?】


【ここ緩かったのに、どうしたんだろう?とりあえず仮身分証持ってて良かった】


【これ、持ってないとどうなるの?】


【逮捕、最悪島流し】


島流しっていつのだよ。古っ…



【とりあえず私の部屋から出ないで。早々に二人は帰ってもらわないと駄目かも】


【嫌だよ、そんなの。それに色変わってないって…か、変わってる!青。いつ変わったんだ?この色も、いいね、これ】


【アクセサリーじゃないからね、それ。青か。暫くは大丈夫だけどさ】


【俺は琴美といれるなら大丈夫】


【そんな呑気な…でも、零、嬉しい】


うん、俺もだよ。


【あのさ、何でバレたの?現代から霊界に来ると何か反応するの?】


【例のトンネルね。最近なんか行き来する人増えたみたいで。他の地区では取り締まりが強化されて。ここは緩かったんだけど。それこそ何で来たの?】


【それは、あの遊園地の👻屋敷で、琴美と会って】


【あっ、そうか。零のことこっそり見に行くつもりだったけど鉢合わせしたもんね】


【俺のこと?】


【うん。零のこと見たかったんだ】


琴美、嬉しい!!!有頂面、Amazing!!! ギュ~!!!


【それさっきも…いたた…痛いって、零。ちょっとちょっと!!私汗かいてるから。もう、ちょっと〜】


離さないもんね〜琴美の汗なら嬉しい限りだ。


クンクン…全然臭くない。いい匂いだ〜


【嫌だって、零〜汗、汗、汗だってば!!ちょっと、ちょっと離れてよ〜もう…】


※パカーン※ 


さっきの痛さ再び…👻パニックのより痛いぞ。


【琴美、困ってるでしょ!!抱きつくしか無いの?】


友奈、復活したか。それにしても、強すぎるだろ!!


【加減しろって、もう。さっき👻に叩かれて。せてめ場所変えろよ】


【そんなの知らない!!さっきは人のことお姫様だっこしたくせに。強引にテレポートさせて】


ほら、怒られた。何で俺が叩かれるんだ?


友奈と琴美の会話↓


【あー、暑かった…もう汗だく。えーと、友奈ごめんね。実は霊界タワーに警備員が来て】


【警備員って?】


【何か怪しまれてるかも。二人は。これ、零と同じの持ってて。もしもの場合、提示して】


【解った。で、バレたらどうなるの?】


【最悪、島流し】


【島流しって…古っ!!そんなのあるの?どの島?リゾート地ならいいんだけど】


【リゾートな訳ないじゃん。場所、解らないけどたぶん戻れないよ。気をつけないと】


【ふーん、あっ、青色だ。これは?】


【大丈夫。暫くは】


【で、何色になったら駄目なの?】


【忘れちゃった…調べに行くね】


【そこ大事じゃん!!さっきも言ったよね。どこまで調べに行くの?】


【図書館】


【えー、不便!!スマホとか無いの?】


【ない。あのさ二人はここにいて。帰りに食べ物買ってくるから】


【飲み物もよろしくね】


俺達、この部屋から出れないのかな。


早く帰ってきて〜お腹空いた〜







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