第28話 リミット7

 俺達はテレポート経験したんだね。瞬間移動ってものだね。


 聞いたことあって、どんなものかも何となく知ってる。この経験はじめてだけど…なんてことなかった。それ、俺だけかもしれないけどな。友奈は、


【ちょっと、休ませて〜ファミレスとか無いの?】


 友奈はダメージをうけたみたい。かなり青ざめた辛そうな表情だ。船酔いみたいなものなのかな?何故俺はなんともないんだ?


それに、ここ霊界…ファミレスなんて無いよな?


琴美はさらっと、普通に、


【じゃ、ファミレス寄ろうか?友奈きつそうだね】


あるんかーい!!ファミレス…


こうなると現在と霊界の違いって解らん!!!


友奈を支えながら、ファミレスへ到着。


【何これ、船酔いみたいな、頭痛もするし、気持ち悪〜】


琴美は俺を見て、


【慣れてないとね。で、何で零は平気なの?】


 俺も酔う可能性あったのかよ〜テレポートする前に言ってくれよ。


【今のところ俺はなんとも無い…これって普通じゃないの?船でも酔わないけどさ、俺】


琴美は友奈を指さして、


【普通はこうなる。零、特別だね】


友奈、辛そう…琴美に、


【…はじめに言ってよね…あー、気持ち悪…これどれくらいで良くなるの?】


琴美はポケットから何やら薬を出して、


【これ飲めば数分で…いる?】


友奈は薬を奪って、


【あるなら先にちょうだい!!もう…】


【あっ…あのそれって…】


琴美が何か言いかけた、既に遅し!!


友奈は、


【苦!!!恐ろしく、何これ?ウゲッ〜!!!】


【それ、苦いんだよね…霊界で最も…大丈夫?】


【大丈夫な訳ないじゃん!!何なの!!少しここで休む。もう二度とテレポートしないでよね。二人で何とかタワー行ってきて。ここに後で必ず戻ってきてよ】


 友奈は、テーブルにうつ伏せになった。これは怒ってるな…


 俺は上着を友奈にかけてあげた。常夏だけどクーラー効いてる。


琴美が、


【ふーん、優しいんだ〜そうやって勘違いさせる罪な人なんだね〜友奈もね、嬉しそうじゃん!!】


【寒いだろ、ここじゃ。クーラー弱めてもらえないかな?この世界はエコって知らないのかな?】


【そんなのしーらない!!じゃ、行くよ。二人で!!】


琴美、そんなので怒るなよ。


【霊界タワーって何があるの?可愛い琴美ちゃん】


【キショ…ちゃんって言わないで。私も大人気無かった。ごめんなさい。えーとね、観覧車にコースターに、👻パニックワールド、その他は…】


👻パニックワールド?


それはとんでもないことに、なりそうだ。


【👻パニックワールド…って】


【おっ、零、目の付け所が違うね!!それは大人気アトラクション!!混んでるとは思うけど予約しておこうか?…あと20分だって。歩くの面倒…でもテレポートは念の為やめておこうね。零に耐久性絶対にあるとは解らないからね。遊べなくなったら困るし】


【ここではテレポートばかりで移動してるの?】


【歩かないよ、ほとんど。むしろ歩いて移動してると職質されるよ】


 職質!!ほんと何も変わらないんだな。歩くの普通だと思ったけど。


【とりあえず20分しかないから行こう!!】


【友奈は大丈夫かな?】


友奈😪


寝てる…じゃ起さないでおこう。



……………………………………………………………



霊界タワーの👻パニックワールド到着〜


怖いよ〜怖いよ〜どうやるの…


【零見てて…ウギャードヴァー!!】


【……琴美、何だその声……】


【後ろ…】


何だ?うわっ、何と言う数の👻達…


【琴美、さっきの声って?】


【こうすると👻来る。ウギャードヴァービヒャー】


何いってんだ?恥ずかしくもなく…


👻達、何持ってるんだ?


【👻達、棒持ってる…武器を持つ👻なんて…】


【零、避けないと!!】


【何に?何を避けるの?】


※パカーン!!※ 痛〜!!


【何すんだよ!!この👻、イッテーナ!!もう】


【だから避けてって言ったじゃん】


【普通に叩かないだろ…しかもこんなに強く】


※パカーン!!※ 痛〜もうムカついた!!


【許さん!!反撃してやる】


【意味ないと思うけど】


 琴美は軽々かわしてる…タンクトップだと身軽なのか?それにしても可愛い!!やはりちょータイプだ。


※パカーン※ もう、もう、絶対に許さん!!


【怒った!!俺の得意の下段回し…】


※パカーン※ やば…意識が…


【零、もらいすぎ…あ〜あ、ゲームオーバー】


もう、痛くて、足元もフラフラ…😵



……………………………………………………………



おや?俺はどうしたんだ?


柔らかい枕だな〜寝心地最高…琴美じゃん。


膝枕してくれてるのか!!ちょーラッキー。


【零、大丈夫?】


心配そうに見てくれてる…寝たフリ寝たフリ…


【最初にあのアトラクション無理だったかな〜ごめんね。でも必死な零って可愛いんだね】


こ、これは、かなりいい雰囲気…


※ゴロゴロ…ドテン!!※


 何だよ、いきなり琴美立ち上がるなよ。痛っ、

また意識が…遠のく…


警備員らしい人?ここの人かな?


【おい、そいつは?誰だ?】


【彼氏です】


【この時期としてその格好おかしくないか?】


【寒がりなんです!!これ、身分証】


【うん。確かに間違いなく本人だな。実はここに他の世界から侵入したとの情報受けて調査している。おやしい人物見かけたらこちらに連絡を】


【はい、お疲れ様です】


【他探そう。みんな気を抜くな!!】


僅かに聞こえていた…侵入とか何とか。


寝たフリしておこう。琴美、見たこと無い表情…


琴美はぼそっと、つぶやくように、


【はぁ〜早いな、この地区としては異例だな〜仮登録の身分証持ってて良かった…】




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