第27話 リミット8

【何いってんだよ。もう離れるわけないだろ。琴美とずっといる。俺もここに残る】


【零、それは無理だよ。そもそもここに来るって、それ解ってるの?】


【解ってるよ…ごめん。解ってるって、嘘。でも離れたくないんだ!!】


そんなやりとりを聞いていた友奈は、


【零、琴美困ってるよ。冷静になりなよ】


 俺だって困ってるんだ…希望は琴美から離れたくないないってだけだ。うーん、どうしよう…


【じゃあさ、琴美を連れて帰る】


これは無茶苦茶だよな。


それを聞いてきた友奈は、


【さっきの私達の話を…聞いてたの?それともバカなの?】


 バカって…そうだよ!!琴美のことになったら、それはバカになるさ。それほど好きなんだ!!


【聞いていたよ、そう簡単に割り切れないって!!会えたんだよ、やっと。何もかも俺の理想何だって、琴美は!!もう何が何でも離したくない!!!】


友奈は呆れ顔…そして、


【零は駄目だ〜。……琴美、私達帰るとしたら、霊界との行き来するトンネルを使えるとしたらあとどれくらい?あっ、トンネルって例えね。たぶん、そんなのあるかな〜って】


【あるけどね。ここ審査緩くなったから、もう暫くは大丈夫…でも閉じたら戻れないから、とりあえずこれつけておいて】


あるんだ、トンネル…


ブレスレット、白色。おっしゃれ〜


真っ白ってすごいね。


友奈は、ニコッと笑って、


【何、私達にプレゼント?】


俺もこれ、気に入った!!


【確かに、このブレスレットいいね。ごめん、変わりのプレゼント、俺何も持ってきてない】


気が利かないな、俺…


【何か二人共勘違いしていない?それカウントダウンアラートね。色が変わって、えーと、何色だったかな?…何かある色になっちゃうとね、トンネル、使用出来なくなるの】


友奈は、


【なるほどね〜じゃまだ白ってことは暫くは居られるね、で、何色なの?そこ重要なんだけど!!】


琴美は、俺の目をみつめて、


【零、私はここに来てからそっちの世界のことしっかり見てきたけど、何か選択する場合は、同情しないでね。後悔することに繋がるから】


友奈も、


【零は優しすぎ…時には厳しく決断する勇気もね、

ちょっと、私話してるのに、聞いてる?で、何色?】


俺は琴美をおろして、正面からそっと抱きかかえ、


【情でなくて、琴美…本当に大好きだよ。ここに残ってさ、琴美が困るようなことはしたくないけど。残れる方法ってないのかな?】


【零…無理だよ】


【つまり無いってことかな…自然に来れる日がいつか来るまでは…そういうことなんだね】


琴美は笑って、


【そう。よーく出来ました!!お利口さん♥】


【そうか…全て解った…】


そうか…ならば、これしか無いな…


琴美は察して、

 

【零?何?何か変なこと考えてる?】


【いや、そんなこと考えてない…琴美、俺達を案内して。ここでしか無いもの、見れないもの、食べれないものなどなど】


【うん。友奈も来るでしょ?】


【だから!!!何色になったら帰れないの?もう、ちゃんと教えてよ!!で、私も行っていいの?】


友奈、気を使ってる。琴美も俺も、


【友奈も来て。友達なんだから当たり前じゃん】

【俺をここに連れてきたの友奈だろ。行こう!!】


【じゃ、思いっきり楽しんじゃお~と。ところでここに来るにあたって、私達、他に誰か連れてきていた?👻屋敷に】


【誰を?そんなこと気にしなくていいんじゃないかな?楽しもうよ全力でさ】


 誰か忘れてるような…聖奈には内緒だし〜他に?とりあえず考えても解んないや。


琴美は、


【私は記憶を操作出来るからね〜二人がここに来る前の記憶は操作したからね〜。そのほうが思いっきり楽しめるでしょ。じゃ、はじめに、この地区の名物の霊界タワーからね】


霊界タワー…安易な名称だ。


【零、友奈、手を繋いで】


【えー、琴美の前でそんな〜私は繋げないよ…そりゃ、零もちょっとはいいとは思ったことあるけど、琴美のね〜彼氏だってことだから〜】


※バチーん※ 友奈、琴美に後頭部叩かれた…


琴美って、そうとう力強いんだな。


【痛〜!!琴美何すんのよ!!】


【誰が二人で繋いでって言ったのよ!!みんなで繋ぐの!!三人で繋いで。置いていかれてもいいの?】


どういうこと?


【テレポート!!!行くよ!!離さないでよ、絶対に】


それで、友奈の聞いてる色って?スルー?


とりあえずいいか…ってことだね。


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