第17話 家族として
聖奈と遊園地に行ってから数ヶ月の月日が経ち、気まずい気持ちも徐々に慣れに変わっていった。
すっと暮らしているとそういうものかな?
何気なく生活していると、忘れることも必要と思えるようになってくる。
消えていく記憶…でも、残ってるメモは何を意味しているのか…メモをPCでスキャンして保存したりしてるってことは?
どうしても知りたいって、強く思ってる気持ちは忘れないのかな?
手がかりを知ってるはずの友奈はあれから長期海外出張で会うことも出来ない。
そうなると、なおさら知りたくなる。聞いても答えてくれないだろうが。友奈なりに言えない何かがあるんだろう。難しいな…
※ブーブー※ これ、出ないでおこう…やな予感。
※ブーブー※、※ブーブー※ しつこいな〜
※【零、暇だろう?付き合えよ。今度の日曜】※
英二からの誘いだ。嫌な奴ではないけどさ。
うーん、でも、面倒って言えば面倒で…
※【零達は無料でいいからさ!!その代わり…】※
ギク!嫌な予感…達ってどういうことだよ。
【何だよ、無料ほど怪しいものは無いぞ。いかない!断る!】
※【ちょ、ちょっと待って!お願いがあってさ】※
【何だよ、ろくなことならないね、お前のお願いって!!】
※【実はさ、この前偶然に会社の飲み会で会ってさ。たぶんあれほど酔ってると零は聞いてないと思うけど】※
【何?誰のこと?】
※【……零の姉ちゃん。すげー酔っていたぞ!!聞いてないよな?なんか大泣きして…店内で響くほどに】※
聖奈が!!大泣き?ないないない…あり得ない!!
【嘘だな!じゃ】
※【ちょ、ちょっとだから聞けって。何か送別会なのか歓迎会なのか解らないけど、友奈もいてさ。相変わらず二人共すげー可愛いな!!】※
友奈か…ああ、そういうこと。
【友奈ね…海外出張の送別会じゃないかな?】
※【な、なんで、お前が友奈のことを…】※
【聖奈と同じ職場だから…あっ!】
やべっ、面倒なのに話しちゃった…言ってなかった?言ってなかったよな、あ〜あ…
※【そうか…それで、で、聖奈さん日曜暇かな?】※
【目的は聖奈か…駄目だ!!】
※【ちょ、ちょっと、頼む!!👻屋敷さ、話題になっていて。是非、合コンの設定を…】※
👻屋敷…あの遊園地のか?
【別の人誘えよ。何で聖奈何だよ!】
※ガラガラ〜※
【私が何だって〜】
また下着で出てきた〜風呂上がりの聖奈。
【おい、だから、風呂上がりは着ろって!!】
俺も一応男ですけどね〜
【暑いからさ〜ビール🍺飲んでから】
※プシュ~※
【プハー、最高だね。で、私が何だって?】
何だよ、この差。職場でみんなにチヤホヤされてるんだろ。なのに、家ではこれだよ。
俺、弟でも血は繋がってないんですけどね〜
※【おい、零、何が起きてる?聖奈さんに何が!?】※
【何でもない。いつものこと。とにかく行かない】
※【ちょ、ちょっと待てって〜頼むよ〜その後の飲み会も無料。とにかく二人は無料。女性も無料!!頼むよ〜】※
【ん、零、友達?行かないって何が?】
【聖奈は関係ない】
【貸して!!もしも〜し、どちらさん?】
スマホを返せ〜〜〜〜〜
※【せ、聖奈さん。あの、英二です。この前は飲み会で見かけて…その…あの…大丈夫ですか?】※
【何が?なんかあったっけ…】 ※ゲフー…※
そんなにビール一気に飲むからだよ。何だよ、なに合図してる…ビール持ってこいって?まだ飲むのかよ。
※プシュ~※
【はいよビール🍺、電話変われよ】
【英二くんと話してるじゃん…で、何かあるの?】
※【はい、実はですね…遊園地の👻屋敷が話題になっていて、日曜に】※
【行きたい!行きたい!私も行きたーい!】
何勝手にオッケー👌してるんだよ。酔っ払いが!!
※【ありがとうございます。こちらも何人か連れていきますので、出来たら女性陣を】※
【いいよ〜連れてく。友奈いないよ〜いいの?】
※ゲフー…※ ビール🍺飲みながら話すのかよ…
※【ありがとうございます。友奈のことは先程聞いています。零も来てくれるので、最終人数確認後に零にメールします。ありがとうございます。感謝いたします!!】※
【は〜い。じゃね!】
※ツーツーツー…※
【おい、何勝手にオッケー👌して切ってんだよ!】
【いいじゃん。暇だし、どうせゲームしかしてないからさ。私達は】
【とにかく服着てよ…パジャマあるだろ?】
【解ったよ、うるさいな!家でどういう格好でもいいじゃん!!】
呆れた…勝手に日曜の予定決めやがった。
俺が前にメモした👻屋敷かな?
聖奈、👻屋敷、駄目じゃない?俺が側にいないと…
俺は弟だしな〜。じゃ、英二が側に…それは駄目!!
絶対に駄目!!
何ムキになってるんだろう?俺…
聖奈が誰と付き合うほうが知ったこっちゃない。
そう思ってるのに、くそ!!イライラする。
【零、どうしたの?そんなに👻屋敷怖いの?】
【違うって!!なんで聖奈が勝手に!!もういいよ】
【ごめん、零…なんかここんとこずっと思い詰めてるように思えたから気晴らしにでもと思って。勝手にごめん】
違うんだよ!!聖奈は悪くないのに!!
情けない…俺自身のほんとに身勝手なワガママ。
聖奈は姉なんだ!!そう言い聞かせて、言い聞かせて…きたのに。なのにさ、英二が聖奈目当てってなってるだけで付き合っても無いのに。
血の繋がりのないこと、知らなければ良かった。
【聖奈、英二のことどう思う?】
【何で急に、んーと、零の友達】
【男としてだよ、どう?】
【そんな男としてなんて見れないよ。そもそも向こうも思ってないでしょ?零の姉くらいに】
【違うって!自覚してよ。聖奈、自分の魅力解ってないよ。危機感持って…もう。忘れて。俺がどうかしていた】
【魅力…うわ、嬉しい!!零、ありがとう。心配してくれるだね】
【もちろん、聖奈は大事な姉だからね】
【零も自信持ってね。英二くんよりもいい男!!】
そういうこと、気軽に言うなよ〜
ほかの男にも気軽に接するなよ!!頼むぞ。
【あのさ、あの遊園地のこと、気にしてない?その、なんというか…占いの…友奈の…】
これは伝えにくいな、難しい。
聖奈も、少し赤くなってる…思い出したのかな?それともビール🍺二缶で酔ってるのかな?
【零、あのことはさ…】
痛〜〜〜〜〜!!!!!
【いてて!!何だ、何だ?】
※ガルルル…ガルルル…🐕※
【ルック…痛いって…何だよ急に!!】
※キューン、キューン🐕※
【零と私が喧嘩したのが嫌だったのかな?ルック】
そうなんです。飼っているこの🐕の名前はルック。
何故なら小さい頃からよーく見上げている姿が可愛くて可愛くて、それでよく見る→ルックです。
紹介が遅くなりすみません。かけがえのない家族。
【零、誰に話してるの?】
【なんでもない。えーと、何話していたっけ?】
【忘れちゃった…】 ※ゲフー※
酒クセ〜〜〜〜〜
100年の恋もなんとやら…ってね。恋?、例えが違うな。
【だ〜か〜ら〜、零、誰に話してるのよ〜】
【なんでもないって、くっつくな!!酒くせ〜!!!!!】
ルックありがとう。何も変わらなくていいんだ。
※キューン?🐕※ そう思うよ。
【ルック、なんか喋った?】
【話すわけ無いでしょ?零、おかしくなった?】
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