第8話 琴美って?誰?

姉貴、疲れたぞ、こんなにかかるものか?


買い物って付き合うほうが疲れるんだぞ!!


【少し休もうよ、荷物どんどん増えていく】


姉貴はほぼ聞いてない。これはゾーンに入ったな。


荷物持ちながら服は見れない。その理由は解る。


だが、持たされてる方はハンパなく辛い。



もう無理だ!休む!とりあえずどこでもいいから。


【零、これ似合うかも!】


はい、はい、そうですね〜お似合いです、誰に?…


【これ、零にだよ。着てみて】


 この状況で何いってんだよ。姉貴は、この荷物、見えないのか。


【私が持ってるから。今日の買い物これで最後】


【解ったよ、着てみるよ】


 割としっくり来るんだけど、これ、高くないか?その様子を見た姉貴は、


【うん!似合う!いい感じ。これにする】


【高いよ。いいよ、俺のは】


【何かと便利だよ。こういうの一着あると】


 これくらい、いいのかな?ほぼ一日付き合ったからね。とりあえず休もう。足が〜足が〜!!!


俺達はレストランへ。とにかく座りたかった。


【零、ありがとうね。助かったよ。こんなになるとは思わなかった】


【これ、買ってもらっていいのかな?これは俺のためでしょ?】


【零、服見たら何も変わってなかったから。腕とか肩とか前よりも筋肉ついてきてるじゃない?サイズも合わなくなってくるよ。それにさ、姉だからね、気がつくよ】


【じゃ、ありがたく…って、勝手に服見るなよ!】


【そんなことで怒らないの】


もう、すぐ濁すんだよな。


 俺達は適当にいろいろ頼んで、食後のデザートとコーヒー☕飲んで、


【零、本当はさ、こんな風に話せるかな?って不安だったんだ】


【何で?】


【出張続きで、しかも別々に暮らすようになって暫く会ってなかったから。久しぶり見たら小さかったイメージが変わっていて】


【身長そんなに高くないよ。それに小さかったって子供の頃からずっと会ってなかった訳じゃないよ。不思議なこと言うね】



※トントン※ 誰?俺の肩を…


【すみません、お邪魔してしまって。声聞こえてきたからもしかしてって思って】


おっ、友奈!!、スーツでない私服もいいね!!


【友奈も買い物?】


【うん。それもあるけど、ご挨拶に】


姉貴は、俺を見て、笑って、


【バレた〜、面白いから黙っていたのに〜】


【聖奈さん、ごめんなさい。そういうことでしたか。明日からよろしくお願いします】


【友奈、かたーい、もっと気さくに行こうよ。ほら

友奈も座って。それともデート中のだったかな?】


【いえ、違うます。でも憩いの時間の…】


誰が憩いじゃ!!ただの姉貴につき合わされて。


【いいのいいの、弟とはこれからずっと一緒だしね。それよりもさ、明日の出勤一緒に行かない?】


出勤?何話してんだ?


【いいですよ。混む車両とか、昼はこの辺りのお弁当とか…聖奈さんは外で食べますか?】


【お弁当派!時間とか気にしなくて済むから。助かる〜極力ぎり出勤、最短ルート、混雑回避。これこらのこと重要だからね】


【圧、凄すぎです。そこまで知りませんよ】


【大丈夫!!私なんか、どの電車に乗ればいいか解らないくらいだから】


何だこのやりとり…俺いなくてもいいじゃん。


聖奈と友奈…姉と学校のマドンナ…


【奈って、同じだ】


姉貴は、???って感じで、


【何が同じって?零?】


【友奈と聖奈の、その漢字の奈】


姉貴は、少し笑って、友奈も、


【緊張して何か探してるんだね〜零。良かったね〜憧れの友奈だよ。昔っからもう女の子のこと話す時はいつも友奈、友奈ってね】


【言ってないこと言うな!姉貴!】


【ごめんごめん、もう照れるなって!確かに友奈って可愛いね。これは憧れになるわけだ】


【そんなことありません。聖奈さんに比べたら全然私なんか…零くん、良かったね。こんな素敵なお姉さんと暮らせて】


【友奈、それは大きな勘違いをしている。家では風呂上がりに下着でビール飲むような…】


※イテッ※ 唇っ〜、痛っ〜!!!!!


【零、つまんないこと言うな!】


【はっ…て…ほ…ん…どう……の…ご…と…】


もう、離せって!!爪が痛いんだよ…もう。


???もう、何、今度は〜イテッ!!耳〜ちぎれる〜


【ちょっと、零お借りしまーす】


いてて…今度は耳かよ!!誰だよ


【おい、誰だよ。あの美人さん!!】


【英二〜、耳引っ張ることないだろ!痛すぎだ。それに、友奈、知ってるだろ】


【違う!!もう一人の女性だよ!】


【あー、あれね、姉貴】


【ま、マジ、姉貴って、聖奈さん?何て素敵に、いや、さらに素敵になったじゃないか!!】


【大袈裟だぞ、とにかく帰れよ】


【頼む、あのユートピアに俺も混ぜてくれ〜】


【駄目だ!帰れ!】


【お前だけずりーぞ。あの二人を独占する気だな】


【あのな〜お前知ってんだろ!俺には彼女いるだろうが!確かに友奈は可愛い。それは認める。それにもう一人は姉貴だ】


英二、どうした???


【何?彼女って?】


【はぁー?もう戻るぞ】


【ちょっとちょっと、彼女って?】


【お前、ふざけるなよ。琴美だよ】


【琴美?そういう名の彼女?】


【もう、面倒だな。とにかく帰れって!姉貴とは今度家で話してくれ。じゃあ、とにかく帰れよ】


英二のやつ、ふざけるよな。琴美のこと話だろ!


とにかく、面倒のは帰ったな。姉貴は、


【零、誰?】


【英二だよ】


【あー、英二くん。大きくなったね~帰ったの?】


面倒だからな、あいつここにいるとさ。






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