第2話 同窓会
さて、この会場は、どのタイミングで入るか。それが問題だ。特に大事なことだ。
早すぎる→後からくる人全てに挨拶→面倒。
遅すぎる→既に盛り上がっている可能性→やばい。
たぶん受付とか担当する人は、既に声がかかってるんだろうな。難しい問題だ…
気楽に→おー久しぶり→これはつまらん!!
カッコつけて→おっ、※※ちゃん綺麗になったね。
→名前を覚えている自信ない。
無理しなくていいや。挨拶なんか気にせずに一気に行ってみよう!!
………………同窓会会場入り………………
半数くらい来てるか。昨日散歩の途中にあった、英二も来てる。ちなみに昨日会った英二は服買いに行って気合入ってここに来てる友人だ。
既に女性陣と話してるじゃん。早いな。
英二【おっ、ちゃんと来たな!!🐕ちゃんどうした?連れてこなかったのか?】
俺【同窓会だぞ。連れてこれる訳ないだろ】
女性1【英二くん、なんで零くんが🐕飼ってること知ってるの?】
英二【昨日、零が散歩させていてさ、俺がほらこのスーツ買いに行く時…っておい俺の話聞け!!】
女性1【零くん、犬種は何?】
女性2【おせーて、おせーて、零くん~】
女性3【会いたいな〜抱っこしたいな~】
おおっ!!いいスタートだ。
俺【今度さ、どっかのタイミングで見せるよ】
女性1【零くん、じゃ、メール📨交換しよ!!】
女性2【あたしも〜あたしも〜】
女性3【写真とか見せて〜】
🐕の人気ってすげー犬好き集まってるのかもな。
でも、三人の女性陣の名前が思い出せない。聞くのも失礼だし、俺のこと名前知ってるみたいだし…
ごめん。後で英二に聞こう。
えーと、友奈は、来てないかな?
※ザワザワ…※
何だ?静まり返ったぞ…
英二【来たぞ!!友奈…やっぱオーラ違うな】
俺【ああ…さらに綺麗になってる…近づけないな】
みんな固まってる。それほどの魅力ってことだ。
その上、向こうでみんなに気さくに話している。相変わらずサバサバしてる。全て完璧なんだな。
俺は近づかないでおこう。高嶺の花過ぎる。
女性1【相変わらずだね〜友奈】
女性2【女優にでもなってるんじゃない?】
女性3【モデルとかもあり得るかも】
英二【おい、零、行こーぜ!友奈のとこ!】
俺【無茶言うな!!行けるわけないだろ!ほら、もう既に何人も行ってるじゃん】
現実はそんなもんだな。そして俺は腹減った。
この立食って、みんな遠慮して食べない、これいつも思うけど勿体ない。ちゃんと食べないと。
俺はカッコつけて食べないとか…ない!!食べる!!
※ガチャーン!!※
あっ、あの娘、お皿割っちゃった…危ないな、手で…ヤバいな。
俺【危ないよ。手怪我するから。触らないで。俺が取るから】
女性【ありがとう…あっ、昨日の🐕ちゃんの!!】
俺【あっ、あの時の!!えっ、同じ?】
女性【そうだったんだね!!ごめん…えーと】
俺【零です。覚えてる訳ないよね?】
女性【あー、零くん!!覚えてる、覚えてる!!元気だった〜相変わらずだね〜】
俺【……絶対覚えてないだろ……無理すんな】
女性【バレた〜ごめんね〜琴美です。そっちだって覚えてないでしょ?お互い様だね】
俺【琴美…琴美…思い出した!!よく遅刻して…】
琴美【そんなこと思い出さないでいい!!まったくもう!もっと無いの?可愛いとか、素敵だとか】
俺【どっちも好印象的な内容だな。凄いプラス思考。ポジティブでいいな!!】
琴美【ポジティブにしないとやってらんないじゃん!!職場つまらないし、日々退屈だしさ…そうだ!!今度散歩の時、🐕ちゃん会わせてよ。すっごく可愛かった〜もう、会いたくて会いたくて。ねっ、お願い。絶対に私に懐かせるから】
俺【いいよ。それにもう懐いていたね】
琴美【じゃ、連絡先交換しよ!!来週なんてどう?週末とか?もし彼女とデートなら諦めるけどさ…】
俺【彼女なんていないよ。大丈夫】
琴美【やったー!!あー、週末楽しみ。これで今週は乗り切れるぞー!!!散歩公園だよね?お弁当持ってくよ。ワンちゃん用のも…カロリー制限とかある?食べちゃいけないものは解ってるけど】
俺【一気に物事決めるタイプだね。お弁当って?俺達のも?】
琴美【もちろんだよ。そうしないとすぐの帰っちゃうでしょ?】
俺【なんかいきなり…いいのかな?彼氏とかいないの?】
琴美【いる訳ないじゃん…家→職場だけの生活で】
よし!!これはラッキー!!でも琴美グイグイくるな。
俺【じゃ、問題ないな。食器片付けておくから】
琴美【零…優しいね。ありがとう。時間決まったら教えてね。じゃね。絶対だよ!ドタキャン無しだよ】
俺【連絡するよ】
なんか、良かった!!今日来て、ほんとに。
お皿片付けながら、ニヤけるな…俺。
英二【おい!!見ていたぞ〜誰だあの可愛い娘?】
俺【琴美だよ、。覚えていた?】
英二【琴美…琴美…琴美!!遅刻の?】
やっぱそこで思い出すか。俺と同じだ。
英二【あんなに可愛くなったのか〜くそ、早めに告っていれば良かった!!】
俺【彼氏いないってよ】
英二【それでデートってことのなったのか!!手が早いぞ、零。ズルいぞ。琴美経由で誰か紹介しろ!】
俺【デートじゃないよ。🐕の散歩を一緒に】
英二【デートだよ、それ。先越された!!誰か〜〜〜俺と付き合ってくれ〜〜〜】
俺【馬鹿!!声でかい…みっともないぞ】
英二【速攻デート決めるやつに言われたくない!!お前は葉書きのことも知らなかっただろ。俺のお陰だ。感謝しろ!!友奈と話させろ!!誰か紹介しろ!!】
俺【無茶言うな…友奈はそもそも俺達なんか相手にされる訳無いだろ】
英二【うおー、誰か〜〜〜デートしてくれ〜〜〜】
俺【その誰かってやめろ!!声デカすぎ!!】
英二といるとこっちまで恥ずい…離れるか。
俺【英二、用事思い出した!!帰る】
英二【待て、ズルいぞ!!俺はまだ諦めない!】
俺【英二、友奈と話せるといいな。じゃ】
友奈と話せなかったが、最高の同窓会になったぞ。
明日から俺も乗り切るか…週末の楽しみを励みに。
何かお腹空いたぞ。しまった!!何も食べてない…
琴美の割ったお皿片付けて。腹減った〜〜〜〜〜!!
帰りに何か食べてかないと、夕飯いらないって、言っちまったからな。
………………深夜のオンラインゲーム………………
※今日は俺早く寝る※
※どったの?気が乗ってないね。ミスも多い※
※すまん。今週末デートなんだ※
※やったじゃーん。おめでとう※
※ありがとう。でさ、お弁当作ってくるって※
※最初のデートでお弁当?※
※うん。飼ってる🐕に会いたいらしくて※
※お姉さんプロファイリング発動!※
※いいよ、別に※
※その娘はね、80%君に恋してるね※
※二度目だよ。ありえないよ。散歩中と同窓会で※
※同窓会で会ったのは大きい!!※
※そうなの?可愛いから俺も嬉しいけど※
※ちなみにお姉さんも可愛いよ※
※じゃ、見せてよ※
※見せられる訳ないじゃん!!はい、クリア〜※
※相変わらず上手いな!!話しながらノーミスって※
※は〜あ、私も眠くなってきた…おやすみ…※
※おやすみ※
風呂明日入ろう。駄目だ、眠すぎる…
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