第3話 週末デート?

 前日に同窓会で次の日仕事って、なかなかハードだ。眠くて眠くて、本当にきつい。体力も落ちてるんだろうが、何かイベントの翌日は休みがいい。


多くの人には贅沢だ!!って怒られそうだけど。


 待ちに、とにかく待った週末だ〜デートだ〜と言ってもまだ準備してないけど、夜中までゲームで眠くて眠くて、相変わらずダラダラと…


そして、どんな服で行けばいいんだろう?

髪型はどうすればいいんだろう?


美容院行っておけば良かった。

せっかくデートなのに。


【零、いつまで寝てるの!!散歩は?忘れてないよね?こんないい天気なのに】


【起きてるよ!!今日は待ち合わせして公園行くから少し遅めに出る。忘れてないから!!】


【待ち合わせ?誰と?何処で?とにかく降りてきて早くご飯食べてちょうだい】


【いらないよ。お弁当持ってくるって…あっ!】


【お弁当って!?どういうこと?いらないなら、もっと早めに、というよりも前日に言いなさい!!】


【ごめん…とにかく散歩行くから】


朝から怒られるとテンション下がるよ~


 少し早めに出るかな?あまり歩かせないようにしておけば🐕も疲れないだろう。


【じゃ、散歩行ってくるよ。遅くなるから】


【🐕の足に負担かかるからほどほどに、途中で抱っこしてあげて】


【大丈夫だよ。無理させないから】



 緊張してきた…琴美って、気さくな娘ではあるが、俺の好みのタイプに近いから。



早すぎたかな?まだ来てない…って、来てる!!早っ!!



【ごめん、凄く早かったんじゃない?】


【ううん。楽しみで昨日眠れなかったから、早く来ちゃった。🐕ちゃん〜楽しみだったよ~】


※キューン、キューン♪🐕※


【凄いな、こんなに懐かせること出来るとは】


【任せて!!動物だったら何でも懐かせる自信あるんだ。リード貸してくれる?】


【うん】


【よし、行こうね!!走ろう!!】


※キューン♪ワンワン♪🐕※


おいおいおい、いきなり走らせて…喜んでる。


 絵になるな~、琴美。笑顔がすっごく魅力的な娘だ。それに、🐕あんなに喜んでる…オスだもんな。🐕可愛さを解ってて甘えてるな。なかなかしたたかだ。気持ちは解る。羨ましいな〜


【はぁ、はぁ、疲れた〜凄い速いんだね】


※キューン、キューン、ワンワン♪🐕※


【そのくらいで抱っこしてあげて。あまり走らせると足に負担がさ、小型犬だから】


【そうなの…ごめんね。はい、抱っこ】


※キューン♪🐕※ ペロペロ!!


【キャハハハ!くすぐったいって】


飼い主はどっち?


【じゃ、俺も撫でてみようかな?いい子いい子】


※ガルルル…ワンワン!!🐕※ ガブッ!!


【いて〜!!なんで俺が噛まれるんだよ!】


【私のほうが好きなんだよね〜】


※キューン♪🐕※


 マジ?…そんな仕打ちって。俺がせっせと散歩に連れて行ってるのに。


【零くん、少し歩こうよ】


【うん。抱っこしててね。俺だと噛まれそう】


【うん。こんなに可愛いから全然疲れない!】


暫く歩いて、噴水の近くのベンチが空いてる。


【ここでお弁当にしない?まだお腹空いてない?】


【ペコペコ!!楽しみだ!】


琴美、少し照れたような笑顔で、


【零くん、そういうのみんな喜ぶね。さては〜モテてたな!!うん。そんな予感する。ほんとに彼女いないの?そんな訳ないと思うけどな】


【彼女なんて、そんないる訳ないよ】


お弁当食べながら、もちろん🐕ももらって。


※ガツガツ…フガフガ…🐕※


俺もガツガツ!!


【美味いな!ほんとに美味い!】


【そんなに慌てなくても、取らないよ】


【琴美は、俺のためにっていうか、🐕のためだね】


【うーん、それもあるけど、ほら、零くん、散歩してる時に会ったでしょ?その時は同級生だったこと気が付かなかったけど、その🐕を見つめる目が優しくて惹かれたから】


おい、期待するぞ!!そんなこと言われるとさ。


【じゃあさ、付き合ってとか言っていいのかな?】


【なんで?】


やばっ、しくじった…ダサッ、俺。


【…ごめん…早すぎたね…お互い久しぶりに会ってこんなこと言っては駄目だね。忘れて!!】


【だから、付き合ってないの?これデートだよ】


【デートとしてとらえていいの?】


【ネガティブだね。それ以外ないでしよ?それに彼女いないって言ったじゃん。私も彼氏いないから問題なし!!それとも私はタイプじゃないから駄目?】


何を!!思いっきりタイプだ。それこそ俺でいいの?


【俺で良ければよろしく…】


【だ〜か〜ら〜ネガティブだって!!零くんだからいいの!優しい人だから間違いないでしょ!!】


【琴美、ありがとう!!】


【あとさ、私も零って呼んでいい?そっちは普通に琴美って…】


【ごめんね、最初から呼んでたね。もちろんその呼び方で問題なし】


【ありがとう、零!!】


※ワンワン!🐕※


【お前も喜んでるくれてるね】


 念願のついに彼女が、しかもかなり可愛いときたもんだ。


 不思議だよな、同級生だったんだ。でもなんで気が付かなかったのか?そんなに変わっている?


 帰ったらアルバム見てみよう。どうして覚えてないんだろう?こんな娘忘れるはず無いのに…


【ねぇ、零、何か考えてるの?】


ドキッとした。下から見上げるその雰囲気に…


【何も…お腹いっぱいだな〜って】


【こんなに食べてくれるとは思わなかった。作ってきて良かった!!食べてくれてありがとう】


琴美…


今日まで何していたの?

何処に住んでたの?

どうして俺の前に現れたの?


不思議と自然で、何の抵抗もなく話せる。


 彼女ずっと出来なくて、突然出来た彼女とこんなに普通に話せるものなのか?


不思議だ!実に不思議…


琴美…響きもいいな〜



 



 

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