その瞳の中に
ラグランジュ
第1話 葉書き
【零〜葉書き来てるよ〜】
【置いといて、今忙しいから】
大事なとこ何だよ!!ここをクリアすれば…あっ…
もう、集中力途切れた…葉書きなんて後でいいのにさ。
【お袋〜大事な時に〜】
【あんた、葉書きって言っただけでしょ!それに休みだからって昼まで起きてこないって、また徹夜?】
【まあ…徹夜って言えば徹夜だね。向こうも寝ないんだよ!!】
【ゲームばかりで、ほら、散歩連れてってよ!!】
※ワンワン!!キューン🐕※
【おー、よしよし、ごめんね。俺が飯食ってからね。すぐ食べ終わるからね】
【あんたのご飯無いよ。声かけたのに無視するから…そういうとこお父さんと一緒…へんなとこ似るんだからね。はい、とっとと散歩!!】
【解ったよ。なにか作っておいてよ…俺、もう腹ぺこだよ…】
【帰ってきたら、食べれるようにしておくから!!】
※グー※
お腹空いたな…ゲームしてるとお腹空かないんだけどな。昨日の娘、凄く上手かったな。たぶん可愛い娘だな。何となく解るな。顔見えないと想像出来る楽しみあるね。
※ワンワン!!🐕※
【解ったよ、行こうな】
休日は俺の当番。散歩は嫌いじゃないけど、足取りが重いな〜
飼いたいって言い出しっぺ、姉貴なのに…出張続きで帰ってこない…ズルい!!出張が偉いって思ってるのか?綺麗な姉だけに、周りもチヤホヤするから調子に乗ってんだよな。
【おー、零、今から散歩か?】
【おー、久しぶり。これからどっか行くのか?】
【葉書き見てないのか?届いてないのか?】
【何を?】
【同窓会だよ!!可愛くなってる娘もいるだろうから服を買いにこれから…お前、明日だぞ】
【何!可愛い娘?誰だ?】
【俺の想像だよ】
※ワンワン、キューン🐕※
【おー、よしよし。こんな可愛い犬いたら彼女なんて興味ないか…俺は今年絶対に彼女作るぞ!!同窓会なんて最高のチャンス。明日来いよな!】
【彼女作るのと犬は関係ないけどな…同窓会、可愛い娘いるなら行くよ】
【だから、想像だって。いなくても俺のせいじゃないぞ!!】
【お前のせいにしてないよ。情報がないのか?】
【無いって。何年も会ってない。お前は卒業してからあの娘に会ったの?えーと、名前は…】
【友奈だろ?会ってないよ。可愛かったな〜】
【きっと結婚してるよ。他の娘に期待だな!でもさ、お前の姉貴ほどのレベルはそうそういないけどな。姉貴、今度紹介して!!じゃ、明日な】
こいつも姉貴か、家での姿見たら幻滅するぞ…
【お前が兄貴になるのは絶対ゴメンだから、姉貴は紹介しないけどな】
同窓会の葉書き?それって今朝の?それで明日ってありえないな!!お袋!!さては、何日もポスト見てなかったな。俺も見てないから人のことを言えないけど…もし、内容の違う葉書きだったら、俺は明日行けないのか?
来ないやつも多いだろ。それにしても友奈に会いたいな。いや絶対に会う。必ず会う!!決めた!!高校のイメージがフラッシュバック!!
※ワンワン!!キューンキューン🐕※
【散歩中だったね、ごめんな】
※ワンワン♪🐕※ ほんと散歩好きだな~
【わー、可愛い〜🐕抱っこしていい?】
おっ!可愛い娘♪ラッキー!!
【そっと抱っこしてね。急に抱っこするとびっくりしちゃうから】
【はーい♪可愛い、ちょーフサフサ】
※キューン🐕♪※
【何で鳴いたの?】
【凄く喜んでるよ。それ甘え鳴き。慣れてるね。犬飼ってるの?】
【飼ってないよ。犬は大好きだけどね】
【そうか。残念だね】
【この子、ほんとにほんとにとっても可愛い。もつ持って帰りたいくらい、可愛い!!】
※キューン♪キューン♪🐕※
【名残惜しいけど…ありがとう。じゃね~】
【じゃ…】
何か気さくな娘だったな〜普通にいきなりタメ口だったし。
同じくらいの年齢の娘だったな。名前くらい聞いておけば良かった!!チャンス逃した…可愛かったのに。
こうやってチャンスたくさん逃して来たんだよな、俺って。今に至る…
【散歩から帰ったよ!!腹減った〜】
※ワンワン♪🐕※
【お帰り、昼食、用意してあるよ】
【ありがとう】
※モグモグ…※
【あのさ、さっき言ってた葉書きどこ?】
【えっと、タンスのとこ】
どれどれ…やっぱ同窓会の案内じゃん!!
【明日の夕飯いらないから。同窓会行ってくる】
【えー!同窓会。あの娘来るのかね?】
【誰だよ…】
【何すっとぼけているの?あんたのお気に入りの…えーと、名前が…出てこない…】
【俺も出てこないから安心しろ】
と、言いながら忘れる訳ない!!
友奈…ほんと大人気だったな。相変わらず可愛いんだろうな。結婚してるよな、きっと。
さーて、ゲームしてこよう!!
【またゲーム?休みだからって。ところであんた、スーツ持ってるの?】
【普通ので行くよ。たいした場所じゃないから】
よし、コーヒー☕も準備して!!スタート!!
……やっぱ、この人、上手いな……聞いてみよう。
※また助けられたね。ありがとう※
※どうしたまして※
※へんな言葉使いだね。次のステージも頼むよ※
※お姉ちゃんにお任せ〜!!※
※お姉ちゃん?年上?何才なの?※
※教えるわけないじゃん!!ほら、次行くよ!!※
教えてくれる訳ないね。
今日はそんなに遅くまで出来ないな。
※ステージクリアしたから、俺もう寝るよ※
※早い!!明日なにかあるの?※
※たいした用事ではないけど※
※ふーん、じゃおやすみ※
※じゃ※
寝よう…明日、みんな来るのかな?友奈、来るかな?
……ん?もう昼?しまった!!寝すぎた……
【お袋〜何か食べ物ある?】
返事が無い…
【何でもいいんだけどさ〜】
やはり返事がない…出掛けてるのかな?
……いないや…メモ?……
※零、冷蔵庫にオムライスあるから温めて食べて。今日はバス旅行行くから、遅くなるので散歩よろしく※
何だよ…何も言って無いじゃん。
※キューン、キューン🐕※
【ごめんな。寂しかったね…散歩行くか!!】
※ワンワン♪🐕※
夕方に出れば間に合うな。同窓会のあとは二次会かな?行くのかな?たぶん、みんな行くよな。
あー楽しみだ!!友奈来てくれるかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます