第4話
「まあ、そうだな」
俺が異世界に行っていた時に、何か変化が起きたのだろうということにしてこの件を片付けると俺と莉愛は早速隣に並び歩き始める。
久しぶりに歩く通学路。見知った建物や顔が目に入る入る。
久しぶりすぎて涙が出そうな程に懐かしみを感じている。
それはそうと……やはり莉愛のことが気になって仕方がない。
割り切ったからには彼女にしつこく聞くことはしないものの、俺の中で疑問に思うことまでは勝手である。
俺の記憶が正しければ莉愛は異世界でいうアヤメみたいな性格をしていた。
あの性格のせいで勘違いする野郎が多発して毎日のように告白されていたのもしっかりと覚えている。
だが、今の莉愛はなんだろう。高校生デビューというには遅すぎる。
思春期だから、という理由は考えられるだろう。いい加減莉愛も鬱陶しかったのかもしれない。
そりゃそうだ。もし俺が莉愛みたいに毎日告白されていたら疲れて倒れてしまう。
現実的に考えれば、俺にそんなことが起きるはずは無いのだがやはり想像しただけで嫌な気持ちになる。
もう考えなくていいだろうか。莉愛はこの状況を一変したいがためにイメチェンをした。そう俺の中で整理をつけておこう。
「わぁ~」
「ん?どうした莉愛?」
莉愛は周りを真新しいものを見るかのような目で眺めていた。その瞳は記憶の中に残っている莉愛の瞳よりも輝いている。
いや彼女は莉愛なのだから、これも莉愛だ。……俺何言ってんださっきから。
少し冷静になろう。
「い、いえ。何か感動している自分がいるんです」
「感動って何に?」
通学路中に見て何か感動するものなんてあったか?
見るからに普通の建物や家が並んでいるだけで至って感銘を受けるものは見当たらない。
「界人さんとまたこうやって一緒に隣で歩けていることです」
「いつも歩いてただろ?」
「あ、そうだよね……。そうだったね」
あはは、と苦笑いを浮かべる莉愛。やっぱり引っかかっちゃうんだよな。
しばらくして俺たちの通う校舎が見えてくると同時に生徒たちの姿もちらほらと視線に入り始めた。
いつもならこの辺であいつがいるんだが………。
「いたっ!」
「うわっ……って、
「やっほー界人。昨日ぶりだねー」
突然勢いよく俺にぶつかってきたのは莉愛とは違いもう1人の幼馴染の希矢だ。
昔からいつどこに行こうとも3人で遊んでいた腐れ縁であり、親友でもある。
「昨日ぶりだな……って希矢!?」
俺はある違和感を感じた。それはつい数十分前にも同じような気がしたもので……
「どうしたのさ界人?」
俺の知ってる希矢はこんな人では無かった。
「その口調はどうした?!」
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勇者俺異世界救い、無事日本に帰ってきました。あれ、幼馴染み達がやけにかつて冒険した仲間たちとそっくりなのですが気のせいですか? ミナトノソラ @kaerubo3452
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