15話 極秘任務。




シェーン公爵とヴィヴィアン公爵夫人2人はC長官の執務室に通された。年は50代だが美丈夫の方だ。ソファに座るよう進められ座った。



「お疲れでしょう?申し訳ないです、私がC長官ヴァン・フェルディナット公爵です」



シェーン公爵が、ニコニコ笑顔で話し始める。

「よろしく、私はシェーン・ロングベルク公爵です、いや!これから行こうと思っていた方向の真逆なだけですよ」

はっはっはっ、と変な笑い声を出していた。



「詳しい説明はできませんが、ダン・ドリンク侯爵には潜入捜査で、ダジュール国に偽装家族を作り生活をしてもらっていました」



「「!?」」

シェーンとヴィヴィアンはお互いの顔を見ていた。



予想が的中してシェーンは喜んでいるようだ。



「初めの計画では1年でしたが、2年になり思わぬ事態が起きたのです」



「「思わぬ事態とは何ですか?」」



「ダジュール国で女性を、奥さん役として求人広告をだして選んだのですが・・・・・・」



「求人広告で選んだのか?」



「まあ、そんなとこです」



「歯切れが悪いですね!」




「人手不足で女性と子供を求人広告で選んで・・・・・・」



「女性の方が恋慕したのですね?」

ヴィヴィアンが訊いてみた。なかなか答えを言わないので、何となく気づいて話してみた。



「そうなんです彼女はダルシュール侯爵夫妻の手紙の、やり取りの妨害をして彼に媚薬を盛り無理矢理・・・・・・関係を持ちまして最後は、奥さんの元に帰ろうとしていた矢先、ダルシュール侯爵を刺して戻れなくしたのです」



ビックリ!相当、思い詰めて罪を犯したのね。

「刺したのですか?」



C長官は頷いた。

「はい、連絡がきた時は驚きました」



媚薬を使い関係を持った男を刺すなんて、そこまで彼への愛情が深く、闇に堕ちたのね。



「彼女は捕まったのですか?」



今までこんなこと、仕出かす人はいなかった。

「はい、今は修道院に送られて一生、出所はできません」




彼がどうなったのか奥様、お嬢様に良い知らせをしたいわ。

「ところで、ダルシュール侯爵はどうなったんですか?」




「死体がどうしても見つからないのです探しましたよ、ですが死体は消えていました」



シェーンはC長官に苛ついていた。嘘をついていると感じたからだ。

「生きて、どこかで暮らしてるのですか?」



探したと言っている!

「同じような解答しかできないです、本当にどこに消えたか解りません!3年前散々、探しましたが見つからず謎なんですよ」




「奥様やお嬢様が気の毒ですね、見つけだして再会させてあげたいのです」



面倒な夫婦だな早く帰ってほしい!

「ええ、探しだしたいですね」





C長官の、オフィスから今日、泊まるホテルに向かい、ラウンジでシャンパンを飲みながら今日、聞いた話しの御浚いを、していました。



あのC長官、何か隠してるわね。

「C長官の様子おかしくないですか?」




「何か隠してるな!」



「隠していますね、もう少し調べましょうか?」



「ああ、そうだな調べ直そう!」

このままでは、帰れないな。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る