9話 罠
ヴィヴィアンは初恋の相手からの愛の告白に胸が締め付けられ悪い気はしない自分が不貞を働いた様で罪悪感を感じていたが嬉しいとも思っていた。
コクロイ伯爵令息がヴィヴィアンに愛の告白をしてから半年は何事もなく過ぎていたが一通の招待状が届き驚いた。
王様の弟達は爵位を授けられ母国で大公爵になったり隣国の王家や貴族の婿養子になったりしている。
コクロイ伯爵令息の父親は王様の弟なのでコクロイは王様の甥である。 今回コクロイはこの身分を使いヴィヴィアン夫婦を離婚させようと考えていた。
王族からの書状が届きましたと執事セバスチャンが読みあげた。
明日城で舞踏会を行うから出席せよ。
「明日って、王様って暇なの?」
「どうだろうね、書類を読んでサインして気になる話は宰相に確認させたり結構忙しいと思うけどね今回は暇だったんだろうね?」
舞踏会は夜8時から始まるのだが少し早め夕方来てしまい待ち時間が長く一応城の待合室があるから個室でお茶やお菓子を頂きながら始まるのを待っていた。
2人共煌びやかに着飾り、シェーン公爵はゴールドのロングタキシードで華やかです、ヴィヴィアンのドレスはシルバーカラーのマーメイドドレスで照明で輝く刺繍がされています。
舞踏会が始まったようで順番に名前を呼ばれ、ホールに進み待機していると、シェーン公爵を囲み皆が挨拶を始めた。
ヴィヴィアンはご婦人達と挨拶をしながら、シェーンを見ると話している女性が気になった。 その女性はシェーンに対し馴れ馴れしくベタベタ身体にタッチしたりしていて、ヴィヴィアンはモヤモヤしていた。
そこへ、コクロイ伯爵令息がヴィヴィアン公爵夫人に声を掛けてきた。
私は、アメリア侯爵令嬢です、シェーン公爵とは幼馴染みで子供の頃は病弱で何時もシェーンが側にいてくれてたのに!
アンジェイ伯爵令嬢が現れてからは、あの女に夢中になって悔しい思いをしていたけど、彼女と別れたと噂で訊いたから会いに行ったら既に結婚が決まっていた。
ヴィヴィアン伯爵令嬢ですが富豪らしく、シェーン公爵は、お金の為、結婚したと噂されていて今日、夫婦揃って登場した時は、お金だけの不細工と思ってたら違っていました・・・・・・。
美しくスタイルも良くて、シルバーカラーのマーメイドドレス姿が良く似合っている悔しい私は無意識にシェーンの側に行き挨拶をしていた。
そして彼に『相談したいことがあるの、明日屋敷に訪問して欲しい』と、久しぶりの頼み事をしたら返事はOKだった。
❆
コクロイ伯爵令息は、ヴィヴィアンにシェーン公爵の女性にたいしての振る舞いを批判していた。
「妻がいるのに女性がベタベタされても注意もせず、喜んでいるのは見ていて気分が悪いよ」
まあ、シェーン様は顔は良いし公爵だから、どうしても女性が寄ってきますから仕方ないですね。
シェーンは幼馴染みのアメリア侯爵令嬢と久し振りに会うと懐かしく彼女は前より美しい令嬢になっていて相談したい事があるので明日屋敷に訪問してほしいと頼まれたので約束をした。
アメリアの企みで、シェーン公爵とヴィヴィアンは、とんでもない目に遭う。
シェーン公爵は約束の時間丁度にアメリア・ドルトル侯爵令嬢の屋敷に着いて応接室に案内されアメリアが現れるのを待っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます