第6話

「シャーロット様、実はですね............あなたに見せたい物があるんですよ............」と言ってきたので、私は興味津々で尋ね返してみたところ「ちょっと待っていて下さい!」と言われて、一旦通話が切れてしまったのです!それから、数分後に再び彼から電話がかかってきたのですが、そこから聞こえてきたのは激しい物音でした!どうやら、何かが起こった様子だったので心配していたのですが、やがて落ち着きを取り戻した彼が一言呟いたのです..............!

「すみません............ちょっと怪我をしてしまったようです............」と申し訳なさそうな声で言ってきたので、私は慌てて言いました!「大丈夫ですか?病院に行かなくても大丈夫ですか!?」

すると彼は笑って答えたのです。

「これくらい平気ですよ!それよりも今から会えないかな?」と聞かれて、私は戸惑ってしまいましたが、結局承諾してしまったのでした。それから、数日後に会う約束をした私達は待ち合わせ場所で落ち合ったのですが、彼の姿を見た瞬間に驚きました。

何故なら頭に包帯を巻き左腕を骨折していたからなのです!「本当にご心配をおかけしました.............こんな状態で申し訳ないですが...............」と言いながらも、必死に笑顔を浮かべている彼を見ていたら、怒ることも出来ずに逆に申し訳なくなってきたのでした。

その後、彼を自宅まで送り届けた後、私は後悔の念に苛まれることになったのです。

何故なら、あの出来事があったからこそ今の私があるのですから! あの事件以降私は自分の事を過信しないようになり人、を信じることの大切さを学びました。

そして今に至るまで、様々な経験を積んできましたが、それらは全て無駄ではなかったと思っています。

どんな困難にも立ち向かい、乗り越えてきたからこそ今の私が存在していると断言できるからです。

これからも、ずっとこうして生きていけたら良いなと思っていますし、そう願い続けることで少しでも運命が変わっていくような気がします。

私は今とても幸せです..............何故なら愛するデューク殿下と共に過ごすことが、出来ているからです。私達が夫婦になってから、もう3ヶ月が経とうとしているのですが、今でも毎日が楽しいと思えるのは、彼のおかげだと思っているのです。


私達はお互いに愛し合っていて、いつも傍に居ることが当たり前の日々を過ごすことができているのです。

デューク殿下はとても優しくて、紳士的な人なので私は毎日が幸せです!彼と一緒にいると心が安らぐし安心感を覚えることが出来るので本当に嬉しいです。そして何よりも一番大切なことは、私が彼のことを愛しているということです。この気持ちだけは誰にも負けません!これから先もずっと彼と共に人生を歩んでいきたいと思っていますし、その為なら何でも頑張れる気がするのです。

ある日のこと..............私は、久しぶりにデュークの実家へ共に帰省していたのですが、そこで偶然にも義兄であるディラン・オルブライト侯爵と会うことが出来たのです!

久し振りの再会に喜びを感じつつも、他愛もない会話を交わした後で、お互いに近況報告などをしたのですが、その際に私は最近気になっていることがあったので尋ねてみたところ.............

「実はですね、最近妻が冷たい気がするんですよ..............」と、寂しげな表情を浮かべながら言ったのである。

それを聞いた私は驚きながらも、励まそうと思って言ったのだが、ディラン様は困ったような笑みを浮かべながら言ったのです。「ありがとうシャーロット、でも大丈夫だから気にしないでくれ」と言われてしまうと、それ以上は何も言えなくなってしまうのだった..............。

それから暫くした後、ディラン様は帰ってしまったが、私はまだ帰りたくなかったので、もう少し滞在させてもらうことにしたのである。

ディラン様のことが気がかりではあったけども心配をかけるわけにもいかないと思ったので、何も言わなかったのだが、それが後々仇となってしまうことになるとは、知る由もなかったのである。

ある日のこと...............私はデューク殿下と一緒に夕食を食べていたのですが、そこにディラン様が突然訪ねてきて驚きました..............しかもその表情は明らかに暗く沈んでいたのです。

一体どうしたのかと思っていると、ディラン様が私に向かって、こんなことを言ってきたのでした。


「最近妻とは全然会ってなくて寂しいんだ.............たまにはデュークも入れて、一緒にお茶でも飲まないかい?」そう言われて一瞬戸惑いましたが、あまり断るのも良くないと思ったので、了承したのです!そしてデューク殿下とディラン様とでお茶をしながら話をしたのですが、やはりどこか元気がない様子でした.............。そこで思い切って何があったのか尋ねてみたのですが、返ってきた答えは予想外のものだったのです。

「前はもっと優しかったのに、今は全然会話が続かないし、一緒にいても楽しくなさそうに見えるんだ。もう、僕の事嫌いになっちゃったのかな...........」と、寂しそうな表情を浮かべて言ってきたので、私は慌てて否定しました!「そんなことありませんよ!話し合えばわかり合えるはずです!」と答えると、ディラン様はホッとしたような表情で笑みを浮かべた後、「ありがとう」と言ってきたので、私も笑顔で返しました。その後もしばらく話を続けていましたが、結局何も解決策は見つからずに、時間だけが過ぎていったのでした。

それから数日後のこと、ディラン様が私の家に来ていました!そしてこの日も会話は弾まず、重苦しい雰囲気のまま時間が流れていきました。

その時、ふと私の脳裏に浮かんだ言葉がありました!それは「別れ」という二文字でした。このままではいけないと思い、意を決して義兄に声をかけることにしたのです!

「ディラン様は、これから奥様とどうされるおつもりなんですか?」私が尋ねると、彼は少し寂しそうな顔で答えました。

「まだ決めていないんだけど、暫くの間はこの街に滞在しようと思っているんだ。」そう言ってから、彼は黙り込んでしまいました。

「ディラン様、何か悩み事があるなら、私で良ければお聞きしますよ?」私は彼の力になりたいと思い、そう言ってみましたが、彼は首を横に振った後、「大丈夫だよ」と言って笑顔を浮かべましたが、その笑顔はとても痛々しくて見ていられませんでした。

それから数日後のこと...........再び義兄であるディラン様が家を訪れてきました。彼は、前回会った時り深刻な表情を浮かべていて、明らかに落ち込んでいる様子だったのです。

「また何かあったのですか?」私が尋ねると、彼は悲しげな表情で答えました。

「妻とはもう何年も前から会っていなくて、殆ど顔も合わせていないんだ............」それを聞いて、私は驚きました。

まさかそこまで深刻な状態だとは知らなかったので、どう声をかければいいのか分からなかったのです。

「それなら尚更です!話し合うべきですよ!」と思わず叫んでしまいましたが、それでもディラン様は悩んでいる様子でした。

私は意を決して彼に言ってみたのです!「私と一緒に行きましょう!」と。

すると、彼は驚いた顔をしていましたが、すぐに笑みを浮かべて答えました。「ありがとうシャーロット」と言った後、彼は私の手を握り締めながら言いました

「本当にありがとう」と.............。

そして私とデューク殿下は、ディラン様の後を追って、彼の奥様の家へと向かいました。

途中で馬車に乗りながら、私はディラン様に向かって話しかけました。「大丈夫!きっと上手くいきますよ!」と言うと、彼は笑顔で頷いてくれたのです............。

暫くしてから、目的地に到着して中へ入ると、そこにはディラン様の奥様がいました!彼女はとても美しくて優しそうな方でしたが、どこか悲しげな表情を浮かべているように見えました。

二人はしばらく話し込んでいましたが、徐々に緊張

「それで、君の考えはどうなんだい?」とディラン様が尋ねました。すると、彼女の返答は意外なものでした!

「貴方のことを愛していません」とはっきりと言ったのです。

それを聞いた瞬間、ディラン様の表情は凍りつきました。

そして、小声で何かを呟いていましたがら聞き取れませんでした.............。暫くの間沈黙が続いた後、ようやく口を開いたディラン様は、謝罪の言葉を口にしました。

それから彼は帰る支度を始めましたので、私も慌てて手伝いをすることにしました。

帰り際にもう一度彼女の顔を見たのですが、やはりどこか切なそうでした。

未だディラン様のことを、好きであるような表情です。

「どうして嘘をついたんですか..............?」

私は、思わず口にしてしまった言葉にハッとなりましたが、ディラン様は既に気づいていたようでした。彼女は、涙を流しながら私の方を見てきましたが、私はそれ以上何も言えず、ただ呆然とすることしかできませんでした。

それから数ヶ月後のことです.............ディラン様が私に手紙を送ってくれました。内容は彼が今住んでいる街への移動についてでした!また会える日を楽しみにしているという言葉で、締めくくられていた手紙を読みながら、これからの人生をどのように歩むことになるのか考え込んでいました............しかし。


「まさか、こんなことになるなんて..............」私は今起きている出来事に戸惑いを隠せませんでした。

何故なら、目の前にいるディラン様が私に告白をしているからです................。

「シャーロット、僕は君を愛しているんだ!」彼は私にそう叫びました。彼の目は真剣で、とても冗談とは思えない雰囲気でした。

「................突然、どうして私を?」私が尋ねると、彼は少し困ったような表情を浮かべながらも答えました。「君を愛しているからだよ」と。そんな彼に対して、私は困惑しながらも尋ねたのですが、それでも彼は微笑みながら答えるばかりでした。

「シャーロット、僕はずっと前から君のことを見てきたんだ。君の性格や考え方、好きな食べ物や嫌いな食べ物まで知っているんだよ!」

「えっ?それってどういうことですか?」

私が尋ねると、彼は少し驚いた顔をしていましたが、やがて笑みを浮かべながら答えました。「君の全てを知りたいと思ったんだ!だから色々と調べたんだよ!」

私は彼の言葉を聞いてゾッとしました。

何故なら、彼が本当に私のことを愛しているのなら、このような行動を取るはずがないからです。つまり彼は私の事など全く興味を持っていないということなのでしょう.............。

私が「そんなことをしても無駄ですよ。私はあなたに興味はありませんから!」と叫ぶと、彼は悲しそうな表情を浮かべながらも、言い返してきました。「君が僕を好きになってくれるまで、諦めないつもりだよ!絶対に君を幸せにしてみせるからね!」

その言葉を聞いた瞬間、背筋が凍りました..............この人は本気で言っているのだと分かり、恐怖を感じたからです。

その後も彼は私に話しかけてきますが、私は返事を返すことなく、黙っていました。すると突然彼が怒りだしたのです!「どうして無視するんだ、僕の事を受け入れてくれよ」と言いました。

「私の人生は、あなたに左右されるものではありません!」と私が叫ぶと、彼はさらに怒り始めました.............。「ふざけるな!僕の人生は君のためだけにあるんだ!君が幸せになれるならそれでいいんだよ!」と言い返されてしまいました。

電話が終わったあとにもうだめだ、話が通じない方なんだと悩んでいると、デューク殿下が私の肩に手を置いた。

「シャーロット、どうしたんだ?顔色が悪いようだが...........」

デューク殿下に迷惑をかけたくなかったので、打ち明けることなく秘密にしていたが、私は耐えきれずにな涙を流しながら話した。

「.............私の兄が、そんなし執着じみたことを........。」

彼も未だに信じられないようで、

目を見開いていたが、私の様子から嘘ではないと判断したようで、「次に連絡がきたり接触してきたりしたら、俺が守る。そばにいさせてくれ」と提案してきた。私は首を横に振った。

「けど............もしあの人に捕まったら、デューク殿下が一生を棒に振るかもしれない............そんなのは嫌なの」

私がそう答えると、彼は何かを考えるような仕草を見せた後で、ゆっくりと口を開いた。

「..............わかった。それなら尚更俺が必ず守ってやるから安心しろ」そう言うと彼は私を抱きしめてくれました。そして優しく頭を撫でながら言いました。「シャーロット、一人で抱え込む必要は無いからな」その言葉を聞いた途端、安心感が湧いてきて、涙を抑えることができなくなりました。

「デューク殿下、ありがとうございます.............」私は彼に感謝の気持ちを伝えると、彼は微笑んでくれました。

その後私は暫くの間泣き続けていましたが、その間もずっと彼は側にいてくれました。

おかげで、少しずつ落ち着きを取り戻すことができました。

そして私は、改めて決意したのです。

ディラン様とは、できるだけ関わらないようにしようと.............。

それからしらばくは、平和な日々を過ごすことができましたが、ある日突然彼から連絡がありました。

内容は、今度会いたいというものです。私は恐怖心を抱きながらも、会うことを決意しました.............何故なら、これ以上彼を放置するわけにはいかなかったからです。

デューク殿下にはちゃんと会うことを伝えてみたら、彼も後ろからバレないようについていくと言われました。

もし、彼が危ない状況だと判断したら、すぐに飛び出して助けに行くと。

その言葉を聞けるだけで、私の心は安心してほっとしました。


指定された場所に向かうと、そこにはディラン様がいました。彼は、相変わらずの笑顔を浮かべながら、私を見つめています。「久しぶりだね、シャーロット。元気にしていたかい?」と声をかけてきたので、私は内心怯えつつも、平静を装いながら答えました。

「お久しぶりです、ディラン様」私が返事をすると、彼は嬉しそうな表情を浮かべていました。しかし、次の瞬間には真剣な表情に変わりました。「今日君を呼んだのは他でもない、君と真剣な話をしたいからだ。僕は君のことを愛している!だから絶対に幸せにするよ!」と言ってきましたが、私は何も答えませんでした。

すると、彼は悲しそうな顔をしましたが、すぐに笑みを浮かべて言いました。

「君は、僕のことが嫌いなのかい?それなら仕方がない.............でも諦めないよ!」私はその言葉を聞いても、無言のままでした。すると、今度は彼が私の手を握り、真剣な眼差しで見つめてきました。私は思わずびっくりしてドキッとしたのですが、それでも表情を変えないように、努めました。「私は、あなたのことを、好きでもなんでもありません.............」そう言うと、彼は一瞬驚いた顔をしましたが、すぐに笑顔に戻りました。

そして、私を抱き締めてきました。

突然のことに戸惑っていた私ですが、このままではいけないと思い、抵抗を試みようとしましたが、力が強くて振り解けませんでした。

それでも、何とか抜け出そうとしましたが、無駄でした。

そして、彼が囁きかけてきました。「シャーロット、君は僕のことが好きなまはずだよ」と.............私は、彼の言葉を聞いた瞬間、全身から寒気を感じました。

このままではまずいと思った私は、咄嗟に叫びました!「離して!」しかし、彼は私を強く抱き締めたまま離そうとしません。

驚きのあまり声が出なかった私に、彼は楽しそうな表情を浮かべながら言いました。

「やっと受け入れてくれたんだね、嬉しいよシャーロット」しかし次の瞬間、ディラン様が突然動きを止めました..............どうしたのかと思い見上げると、そこにはディラン様の肩を強く掴む男性の姿がありました!

「俺の妻に、何をしてるんだ?ディラン兄様」そう言う男性の姿を見た途端、私は驚きました。

デューク殿下が、苛立ちを抑えている様子だったのです!ディラン様は、突然の乱入者に驚いている様子でしたが、すぐに笑みを浮かべ始めました。「デューク。僕は、シャーロットの恋人なんだよ」その言葉にデューク殿下は、呆れた表情を浮かべながら言いました。「いい加減にしてください!いくら私の兄だと言えど、許せません」そう言いながら、彼はディラン様を突き放すと、私を抱き締めました。

そして、私の頭を撫でながら、優しく語りかけてくれました。「もう大丈夫だよ、俺が来たからには安心しなさい」そう言って抱き締めてくれたことで、私は、安心感を得ることができました。

その後、ディラン様とデューク殿下は話し合いを始めました.............暫くすると、二人の間で合意が得られたようで、その場で別れることになりました。どうやら今後は、お互いに関わらないようにすることに決めたみたいです。

ひとまずホッとしました! ただ...........今回の一件で思い知らされたのは、やはりデューク殿下に頼らなければならないことの不甲斐なさです.............これから先も、きっとまた同じことが起きるかもしれない。だからこそ、私自身が強くならなければと決意したのです! その後も、私はデューク殿下と一緒に過ごすことが、多くなりました。彼と一緒にいる時間がとても心地よく感じましたし、安心感もありました。ただ一つだけ、気がかりなことがありました............。

それは彼が、時々私を見つめる目が、時折怖かったことです。

まるで誰にも渡さないと言わんばかりの目つきで、こちらを見つめている時があるのです。

しかし、それを気にしてばかりいるわけにはいかないと思い直し、いつも通りに接することにしました!

デューク殿下は、私を優しく抱きしめてくれて、頭を撫でてくれました。

それが嬉しくて、泣き崩れてしまいましたが、その間ずっと手を握っていてくれました............。その時私は、彼の腕の中から離れることができませんでした。

彼の温もりに包まれている間、安心感を感じていたからです。

その後、私は不思議なことに心が安らいできていきました。

まるで、彼に守られているかのような感覚に陥りました。

デューク殿下は私を抱きしめながら「もう大丈夫だよ」と、何度も声をかけてくれました。

その言葉を聞いた瞬間、涙が溢れ出しました、そして泣き止むまでそばにいてくれたのです。

その後はディラン様から連絡が来ることはありませんでしたし、デューク殿下とも良好な関係を築くことができたので、安心して過ごすことができました。

ですが、今回の件で一つだけ学んだことがあります!それは、改めてデューク殿下が私にとって特別な存在だということ。

彼の優しさに触れ、彼への想いが強くなっていることに気付きました。

...............この幸せが、いつまでも続きますように。


※(デューク視点)

シャーロットが心配になった。彼女はとても優しい子で、相手のことを思いやる気持ちも強い。だからこそ、彼女の周りには敵が多いのかもしれない..............。

「デューク殿下、どうかされましたか?」

背後からかけられた声で我に帰ると、そこには心配そうな表情を浮かべた、シャーロットが立っていた。

「いや..............何でもないよ」そう答えると、彼女は何か言いたげな顔をしながらも、それ以上は何も言わなかった。きっと俺のことを心配してくれているのだろう。

そんな彼女の優しさが、嬉しかった。

そんなことを考えているうちに彼女のことが気になってきた俺は、思い切って聞いてみた。「そういえば、最近何かあった?何か困ってることでもあるなら、相談に乗るよ」すると彼女は驚いた顔をした後、少し困ったような表情を浮かべながら言った「実は最近、ディラン様から連絡が来ることが増えまして.............それも頻繁に届くんです」と教えてくれた。

.............ディラン兄様が?なんでだ?

「そうか、それは困ったな............」疑問に思いながらも私がそう言うと、彼女は小さく頷きながらも話を続けた。

「はい。最初はただ心配していただけだと思うんですが、最近では様子が変わってきまして」そこで、彼女は不安そうな表情を浮かべた後、黙り込んでしまった。その様子を見た私は、彼女に寄り添うようにして優しく抱きしめると、頭を撫でながら安心させるように言った。

「大丈夫だよ、君は何も心配しなくていいんだ」すると、シャーロットは安心したのか、ゆっくりと目を閉じて眠りについてしまった。俺は彼女が目を覚ますまで側にいたのだった............。


次の日、シャーロットはいつもと変わらない様子だったが、どこか様子がおかしかった気がしたので、心配になった俺は彼女に問いかけた。「今日は元気が無いみたいだけど、何かあった?もし良かったら話してくれないか?」

すると、彼女は一瞬躊躇うような仕草を見せた後に口を開いた。「実は、またディラン様から連絡があったんです」俺はその言葉を聞いた瞬間、胸が締め付けられるような感覚に襲われたが、すぐに平静を装うと「どんな内容だった?」と聞いた。

彼女は少し悩んだ後で「それは.............」と言い淀んでいたが、意を決した様に話し始めた。


俺は彼女の話に耳を傾けつつ、彼女を守る覚悟を固めていた。

だが、俺が予想していたよりも深刻な内容だった.............。「シャーロット、その話は本当なのか?」彼女は静かに頷いた後、悲しそうに目を伏せながら答えた。「はい.............間違いありません」それを聞いて俺は言葉を失ってしまったが、同時に怒りが込み上げてきた。

何故、こんなにも優しい彼女が苦しまなければならないのか?どうして、ここまで酷い仕打ちを受ける必要があるのか?そう思うと悔しくて仕方がなかった。

彼女を守りたいという想いが強くなっていく中で、改めて決意したことがあった。

もう二度と、誰にも彼女を傷付けさせたりしないと.............。

「シャーロット、もし何かあったら遠慮なく相談してね」そう言うと彼女は嬉しそうに微笑みながら頷いてくれた。

そんな彼女の笑顔を見た俺は、絶対に守ると心に誓ったのだった。

ディラン兄様からの連絡は、徐々に頻度が増えていき、時には何日も続けて来ることもあり、時には深夜にいきなり電話が来たりすることもあった。


正直言って、私でもディラン兄様への恐怖の気持ちの方が大きかった。私は安心させるためにも、なるべくシャーロットと一緒にいるようにしていた。

そして、計画を練って彼女とディラン兄様が会って、何やら話し込んでいた。

すると、シャーロットの叫び声が聞こえてきたから、私が問い詰めると、彼は冷たい表情を浮かべて私を見た後、静かに口を開いた。「................彼女を守りたい気持ちは分かるよ。でも、そろそろ考えなきゃいけない時期に来てるんだ。そして、俺と君との違いは何か分かるか?」

彼の言葉を聞き、私は何も言えずに黙り込んでしまった。「それはね.............愛だよ。彼女の幸せを願う気持ちが俺よりも大きかったから、君は彼女と出会えたんだ」そして彼は、再びシャーロットを見た後、悲しげな表情を浮かべて呟いた。「シャーロット、君にも素敵な王子様が現れることを願ってる...........」

ディラン兄様の一言で私の心は大きく揺れた。今まで自分のことしか考えていなかったけど、シャーロットは本当に幸せになれるのか?

「私は..............」と言いかけたが、言葉が続かなかった。ディラン兄様は何も言わずに立ち去った。


その夜、私とシャーロットの関係性について改めて考え直した。

しかし、いくら考えても彼女を守りたいという気持ちしかなかった。

結局その日は、結論が出せずに眠りに就いた。

翌朝目覚めると、既に起きていたシャーロットが私を心配そうに見つめていた。どうやらずっと側で見守っていてくれたらしい。

「おはようございます、デューク殿下」彼女が微笑んで挨拶をしたので、私も笑顔で返した。「おはようシャーロット」そして私は彼女に問いかけた「最近、何か変わったことはないか?」すると、彼女は首を横に振った後で答えた。

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