第7話 宿命と決め手

 一度は完成したと見直していた俺だったが、ふと重大な項目の設定漏れに気がついた。

 それは『宿命スキル』と呼ばれる特殊スキルである。

 宿命スキルはレガリア戦記においてPCの奥の手となるもので、PCは最大で2つ習得できる。

 それらは取得クラスによって取得できるものと一般スキル同様にクラスに依存しないものに分かれており、クラスごとの宿命スキルはよりクラスの特長をあらわしたものである。

 例えば戦士なら攻撃を絶対命中にする『運命の一撃』や受けたダメージを0点する『不破の盾』などがある。

 対してクラスに縛られない運命スキルは能力値を上昇させる『エルフの血脈』や判定に使用するダイスの数を3倍に増やせる『覚醒』など汎用性の高い物が揃えられている。

 俺はしばし考える。

 取りたいスキルは有るのだが、それを取ると運命スキル発動時にいくつかのスキルが死にスキルとなってしまうのだ。

 ただ運命スキルは絶対的な効果である以上、使い所さえ間違わなければどのスキルでも状況を好転させられるほどの強力な物ばかりである。

 その事を踏まえた上で、死にスキルを許容できるかが問題だった。

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