第175話 Later Present And Past(その後の現世と過去) 1

 現世の時代……。

魔導士協会大会議室。本部議会が開かれていた。


ミランダは過去の一連の出来事を報告し、グランダが消滅した経緯を説明した。

そしてすべての傍聴者に訴えかけた。


 「過去の時代のグランダを葬り、現世に於いてはグランダの意識は消えました。もちろん妖魔の出現は無いでしょう。……今後しばらくは安心できますが、同様の人物が現れないとも限りません。」


 座って話していたミランダだったが、立ち上がると、

「その為にも、魔導士の育成を推し進める事を続けていくべきです。その都度、文献に記し、次の世代に継承する事をお勧めしたい。そこで私は、魔導士協会が発足した時代にもこの事を伝えようと思います。」


 静かに拍手が起こる。


 「過去の時代では、拳闘士達には力で、魔導士達には魔術で、しばらく治安を守らねばなりません。……王城を守る事や民衆を守る事。これは永遠に続けていかなければ、国は豊かになりません。過去からの継承が、今のこの時代を豊かにする事に繋がるのです。……私からは以上です。」


 割れんばかりの拍手が起こり、皆が立ち上がってミランダを称えたのだった。

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