第176話 Later Present And Past(その後の現世と過去) 2
過去の時代……。
その後の姉妹は、フリップグロスに留まり、山に狩りに出掛け、川に魚獲りに出掛ける生活を選択した。
それは、記憶を失くしていた姉妹に優しく接してくれたサンドラの為を思っての事かもしれない。
狩りの合間、ランチの時の姉妹の会話。
「私達、サンドラさんのところから闘技大会の時代。近い未来に転移したわよね?マタスタシス=テクは未来へは転移出来ないんじゃなかったの?」
「ライラの疑問、分かる。でもさ、その時代も私達には過去だから。だから転移出来たんじゃない。絵に描かれた場所をイメージしたからよ。……私達の本当の未来って、現世のブレインラードの時代より未来の事。」
「そっかぁ……。でも、どうして多くの魔力を消耗するのかしら。」
「それは長い時間を越えてしまうからじゃない?」
「じゃあ、その場の転移では魔力を消耗しないのは何故なのかなぁ。」
「その場で転移しても時間は変わらない。場所だけが変わる、それだけよ。」
「私、短い転移を繰り返せば魔力の消耗無しに未来に行けると思っちゃったわ。」
「残された記憶、記述があるから過去であって、未来とは言えない。その記述のお陰で転移したんじゃないライラ。」
「どうにかならないものかなぁ……。少し先の未来へ転移出来るように鍛錬出来ないもの?どう?」
「どう?って、どう鍛錬すればライラの言う少し先の未来へ行けると思ってるの?」
「例えば、起こりそうな事象をイメージしたら、近い未来のその場所に行けそうな気がするんだけど……。」
「ライラの考えは大事にしましょ。しっかりママやガムさんと話してみましょうか。試してみる名案も出てくるかもよ。」
ランチはとっくに済ませたが、姉妹の疑問は膨らむ一方であった。
陽は傾き始め、小鳥たちは森へと帰っていく。
姉妹の影も長くなり始めていた。
―――END―――
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