第174話 Plan Start(計画始動) 6
ミランダがグランダに毒を盛るというのは噓であるが、シンクロで動きを抑えることでそれが毒のせいだと男達は感じるだろう。
早朝、ミランダは男達を引き連れ山を登った。
姉妹は皆が出発すると、ガムの意識の場所に転移した。
「二人共、君達はグランダへシンクロを掛けるだけでいい。あとは僕とミランダ様で上手くやるさ。向こうの洞窟にグランダが潜んでいる。ミランダ様達が到着したらグランダを外へおびき寄せる。」
やがて男達の足音が聞こえてきた。
「君達はここでグランダにシンクロを使って。移動しなくていい。念の為、パワーは最大で頼む。僕はミランダ様の元に行く。」
「ガム。その後どう?」
「洞窟から出てきていません。」
「分かった。皆、頼んだわよ。私がグランダを外におびき出す。」
ミランダは洞窟入口に立った。
「グランダ!出てきなさい。グランダ!」
起きるなり声を掛けられて、何事かと洞窟から姿を現した。
「なんだ女。俺に何か用か。」
「あなたをこの世から消し去ります。覚悟しなさい!」
ミランダの大きな声で、男達がグランダを囲んだ。
「はぁ?闘技大会の負け犬共じゃないか。何をする気だ。」
「だから言いました。あなたを消し去ります。」
「ふん、女ごときがこの俺様を消し去ると?ふざけるな!」
グランダはミランダに向かって剣を振りかざした。
「レイラ、ライラ。今だ!」
姉妹もガムの一声でシンクロを仕掛けた。
「うぅ、身体が……。腕の自由が効かない。」
「皆、今です。好きなようにやってちょうだい。」
ミランダもシンクロにかかる。
膝まづかされたグランダ。
うぉぉぉぉ。男達の剣がグランダに向けられた。
首、腕、胸、脇腹、大腿から膝。
剣が突き立つごとに血が噴き出す。
「ぐふっ。ぐおぅ……。」
グランダは何も語ることもなくずたずたにされ、見る影もなくなった。どす黒い血液がグランダを染めた。それは既に息がない事を示していた。
「ありがとう皆。これで私の気が晴れた。さぁ、返り血を浴びた上着は脱ぎ捨てて。ガム、焼却の準備を。」
「さぁ、約束の金貨です。1人3枚与えます。新しい剣を買うなりしてください。それから……。第4回以降の闘技大会、正々堂々戦ってください。期待しています。」
11人の男達は金貨を受け取り、山を下りて行った。
グランダは焼却され、跡形もなかった。
「ママ、これで良かったの?現世は変わったのかしら。」
「レイラ、私サンドラさんのところに戻りたい。」
「そうねライラ。クッキーを頂きに帰りましょう。」
「そうしなさい。ママは現世に戻って様子を見てみる。」
「ミランダ様。僕はしばらくこの城下町に身を寄せます。」
「今から1ヶ月後、サンドラさんのところに集まりましょう。」
4人はそれぞれ分かれていった。
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