第166話 Plan Of Revenge With Granda(グランダへの復讐計画) 16
宿で一晩明かし、翌日。
日が暮れて街のそこここに灯りが灯り、夜の賑わいに変わり始めた。姉妹は宿に近いサルーンへとやって来た。
空いてるテーブルに着くと、リンクで話し始めた。
「対戦表を持ってきていても本人の顔が分からなきゃね。」
「確かにそうなんだけど、話を聞いていれば分かるかもしれないってママが言ってたわ。軽いシンクロを使って話を聞くことも出来るから上手くやりなさいって。」
「ママとガムさんも何処かのサルーンに行ってるんでしょ?目を付けた拳闘士達に会えればいいけど。」
「レイラは心配しすぎよ。本人だと分かったら何とかなるもんよ。」
「ライラはいつも気楽でいいわね。私はつい考えがち。」
そこへ、腕に包帯を巻いた屈強そうな男と、足にギプスのようなものを付けた男が入ってきた。
「ライラ、今入ってきた男達、大会に参加した拳闘士じゃない?怪我をしてるようね。」
「レイラ、少し探りましょうか。」
男達はカウンターに並んで座ると、注文したビールで乾杯していた。
「あいつの円盾、ありゃ反則だろう。そう思わないか?」
「またその話か。卑怯だとは思うが、俺達には反論できないよ。近衛隊本部や主催者を否定してもどうにもならないさ。」
2人は早々にジョッキを空にし追加を頼んだ。
「なぁバックル。来年の大会はどうする?」
「フレッド、お前とは古い仲。対戦したくはないが来年も参加しようと思うよ。」
「対戦することになっても手を抜くなよ。」
「フレッドこそ手抜きはごめんだ。正々堂々な。」
追加のビールが無くなりかけたのを見てレイラが近付く。
「おかわりをお願い。」
すぐにバックルとフレッドに対戦表を見せて、
「闘技大会に参加されていたようですが、今回の結果をチェックし忘れたもので。どこまで進みました?」
バックルがビールを飲み干し答えてくれた。
「いや、俺は一回戦からグランダに当たっちまって敗退。」
「俺は2回戦目、バックルの後でグランダに当たってね、あえなく敗退さ。」
2人はAブロックのグランダの対戦者達で、表を指しながら話してくれた。
「残念な結果だったのね。嫌なこと聞いてごめんなさい。……あ、バーテンダーさん。こちらの2人にビールを差し上げて。私、レイラといいます。闘技大会が好きなんです、また来年も頑張ってくださいね。」
レイラは2人とグラスを鳴らし、テーブルに戻った。
再びリンクの会話。
「怪我をしているのを見付けて正解ね。ライラが気になる人物2人だったわ。名乗ってはみたけど覚えていてくれるかしら。」
「それはどうかな……でもよかった。早くも2人チェックよ。」
ミランダとガムの方でも進展はあったようだった。
街が宵闇に包まれる頃、4人は宿に戻った。
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