第159話 Plan Of Revenge With Granda(グランダへの復讐計画) 9

 第二回闘技大会後の南階段地下の廊下……。


 「はぁ、はぁ。」

「大丈夫ライラ?」

「時間を越えちゃうと魔力の消耗が激しいわ。でも心配無い!」

「そろそろここでグラードの2連勝をたたえて挿し絵のような絵が描かれる。見て、あそこにキャンバスが準備してあるわ。」

「あ、ホントだ。じゃあそろそろグラードがここに来るのね。」

「念の為結果確認よライラ。」


 南階段を1階に上がっていく2人。1階には去年の第1回と同じ警備員が立っている。


 「警備員さん、お久しぶりです。また迷っちゃったわ。ここは東階段?」

「おや?去年見学に来てたお二人さん。ここは南階段だよ。東階段はもう少し回らなきゃダメだ。でもこれから勝者グラードの肖像画の為に南階段付近は閉鎖するよ。」

「それを見たかったのだけど。警備員さん、どうすればいい?」

「君らはグラードのファンかい?そうだなぁ、南階段地下から少し離れたところからなら見ることができるよ。閉鎖の柵の外で待ってればいいよ。」

「ありがとうございます、警備員さん。……ところで、決勝戦ではグラードの相手は誰だったの?」

「ははは。観戦してなかったのかい?決勝戦で負けたのはグランダさ。まぁ第1回と同じ結果になったのさ。」


 姉妹は顔を見合わせて目配せした。


 「結果がグラードでよかったわ。私達、応援してるんですもの。警備員さん、また第3回もここに来ますね。」

そう言って姉妹は歩き去った。


 「第2回もグラード兄弟でワンツーだった。ライラ、何か情報収集する?」

「グラード兄弟より、仲間探しに行動変更するのがいいんじゃない?負けっぴ達をチェックした方がいい気がするけど。」

「ま、負けっぴ達……。……そうね、だとしたら大会3位以下の人物に接触する?」

「今はまだ第2回が終わったところでしょ?リストだけ調べればいいんじゃない?」

「ライラにしては最もな意見。3位以下を何人ピックアップしようか。」

「えーそれは分からない。レイラはどう思う?」

「うーん。上位20位くらい?……グランダを討伐、殺すのよ。ここは順位じゃなくて、グランダと対戦して屈辱を味わった者を当たったらどうかしら。」

「じゃあグランダと対戦した者のピックアップね。第2回の対戦表みたいなのを手に入れれば済むじゃん。」

「いつものライラの安易な考えだけど、それが間違いなさそうね。」

「よしっ。警備員さんに、今日の対戦表を貰いに行きましょ。」


 姉妹は1階東階段に向かい歩いて行った。

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