第156話 This World And Times Past(現世と過去の時代)45

 翌日早朝……。


 「市場の事務所に、つい最近行われた王城前で何かの記念式典の絵が飾ってあったの。それをイメージして向かってみる。今の時間のまま向かうから賑やかさはないけれど。」


 ドアを出て、戸締りをすると、

「サンドラさん、しっかり掴まっていてくださいね。では、行きます。」


 2人はミランダのオーラに包まれると消えてしまった。



 王城を見渡せる通りの片隅。まだ人通りはない。


 2人は開店していない店の前に転移した。そこからは市場事務所にあった記念式典の王城と同じ角度で見ることが出来た。


 「よかった、転移成功です。」

「確かにドンバスに見せてもらったことがある。ここがその場所なんだね。いやたまげた。」

「無理もないです。一瞬のうちに来てしまったのですから。」

「こんなに素晴らしい王城だったとは。見られてよかったよミランダ。これで死んでもいいくらいだよ。」

「この辺りは今後、更に城下町として栄えていきます。今から300年以上。私の時代でも健在です。港も広くなり、賑わって、人々もあちこちからやって来る。シャオングラスティ共和国は素晴らしい国です。さ、ランチまで少し歩きましょう。帰りはどこにいてもサンドラさんの家のドアの前に帰れますから。」


 日帰りではあるが、2人は城下町を散策することにした。


 「ランチに何を召し上がるか歩きながら決めておいてくださいね。数年先には城下町として賑わう場所です。色々な食べ物があると思いますよ。」

「フリップグロスに帰っても、あたしが作れる料理を食べたいもんだね。町のみんなにレシピを教えなきゃ。」

「いい目的ですねサンドラさん。市場の食材でも作れそうな料理を出してくれるレストランを探しましょう。」


 2人は飲食店のメニュー看板を見ながら散策を始めた。

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