第154話 Plan Of Revenge With Granda(グランダへの復讐計画) 6

 夕刻になり、闘技場前に戻った3人。


 「闘技大会で勝者になれば近衛隊に優先入隊できるって触れ込み。王城は近衛隊強化を目指してたんだと思う。」

「レイラの思う通りかもしれない。近衛隊士も、これで隊士が多く入隊してくる。王城警備が楽になるって話してた。」

「なるほどね。僕はグラード兄弟の話を聞いたよ。大会前からグラード兄弟は優勝候補なようだよ。」

「グラードが3連覇って記されていたけど、グランダは?」

「さぁね、でも今の街のみんなが兄弟でワンツーって結果は誰もが予想しているようだよ。」

「グランダは2位ってこと?」

「そうだと思う。」

「第2回目には街の人達はどうだったのかしら。」

「それは分からないよレイラ。第2回開催は翌年。転移出来ればすぐ行きたいが、資料が無い。」

「翌年までここで過ごすわけにはいかないわ。どうしましょうかガムさん。」

「宿を取ってそこで作戦会議といこうか。」


 3人は立ち話していたが、城下町に宿を取ることにした。


 宿の部屋でクッキーを囲み紅茶を飲んでいる3人。


 「ちょうど一年後の第2回闘技大会に合わせて転移するなんて、絶対無理よ。」

「確かにライラの言う通りよね。そんなに都合よく転移できるはずないし、イメージの対象すらないもの。」


 パイプ片手にガムが言った。

「第2回はおろか、第3回大会の時期にも行けないよ。」

「2冊目の巻頭は第3回の闘技大会が記されてて、挿し絵もある。でも、見る限りだと1回も3回も変わらない挿し絵な気がするんだけど……。」

「ちょっと見せてライラ。」


 レイラは2冊目の挿し絵を見ていた。


「ちょっとライラ。1冊目の挿し絵を確認して。この勝者の絵よ。」

「勝者が立っている絵。これがどうしたの?」

「第1回と第2回を見比べて。」


 ガムも身を乗り出して見入っている。


 「第1回の勝者グラード。闘技場地下の廊下に立っている。そして第2回、勝者は同じグラード。……でもよく見て。第2回の挿し絵にはグラードの後ろに第1回勝者のグラードが描かれてる。」

「なるほどな。それをイメージすれば第2回でも転移出来そうだ。闘技場地下の廊下だがね。」


 ドヤ顔で言うレイラ。ガムとライラも感心しきり。


 「明日、第2回の頃に転移してみませんかガムさん。」

「うん、やってみよう。3人逸はぐれない様に転移を試そう。」

「地下から出る時が不安だわ。」

「大丈夫よレイラ。しれっと出てくればいいじゃない。」

「それなら明日決行前に闘技場地下の事を調べれば済むだろう。」


 明日はまず闘技場地下の調査を先行する事になった。

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