第147話 Plan Of Revenge With Granda(グランダへの復讐計画) 3
「これが闘技大会第1回から6回までの記録が書かれた3冊。第1回から第3回の勝者は同じ人物で、グラードという。3回制覇を称え、王城の近衛隊に入隊したと記載されている。ワンドルさんはグラードという名が引っ掛かっていたようだったが、書物からは何も得るものが記載されていないんだ。対戦表も記されているが、文字が
「参加者や賞金とか、記してあっても古すぎるのね。」
「そうよね。でも勝者だけでも分かっていれば。」
「3連覇したグラードという人物が近衛隊に入隊を許されたところをみると、近衛隊強化の為の人材探しだったのかもしれないね。」
「3人共。話は長くなりそうかい?あたしゃもう休むよ。ここにお茶を置いておく。遅くならないうちに休むんだよ。」
サンドラは自室に入った。
「一冊目、闘技大会第1回、第2回の記録。闘技場のことすら記されていない。」
「闘技場の完成は近いんでしょ?」
「完成当時の絵は残ってないの?」
「少し未来に行けば完成した闘技場は見られるんだが……。」
「書物の挿し絵、闘技場外観の絵が小さすぎる。この絵から転移は可能?」
「レイラに同感。こっちの闘技場内部の絵のが上手くイメージできそうよ。」
「闘技大会中に転移したら、周囲の誰かに見られてしまう。それは避けなければ。」
ガムはパイプに火を点けながら髪をかきあげる。
「魔導士協会本部の歴史書でも、当初の魔導士は近衛隊を擁護するのが任務であり、誕生のきっかけでもあったんだ。それから長い年月を経て、今の魔導士達の術式が確立した。」
「魔導士が世に現れたのは、闘技大会第3回以降なんでしょうね。魔導士の始まりにも興味があるわ。」
「レイラの好奇心は、グランダ討伐の後にしましょ。」
「ひとまず明日は一冊目の闘技場外観をイメージして転移してみよう。さ、今晩は休んだ方がいい。」
寒さが厳しくなったフリップグロス。空気が澄んで、月が滲みもなく輝いていた。
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