第145話 Plan Of Revenge With Granda(グランダへの復讐計画) 2

 フリップグロスの町に下りたガムは、市場のドンバスに銀貨の両替に訪れた。

 姉妹から預かった銀貨を金貨に替えるのが目的だった。


 「そうかい、あんたはあの子達の先生かい。いや、まさか狩猟や漁師の達人かな?いやいや冗談です。それにしてもあの子達はいい腕だ。フリップグロスに来て、すぐにここの食生活の要(かなめ)になったんだよ。」

「僕は狩りや魚獲りは教えませんでしたよ。教えたのは母親かもしれませんね。今日辺りここに来ると思います。」


 姉妹から預かった銀貨は、金貨2枚と端数になった。

 (これは現世の金貨と変わらない……。長い年月王都は同じ一族で継承されたということか。)


 市場事務所を出て、山へ上がる途中、ガムは強くリンクした。


 「みんな、金貨は現世と変わらない物だった。王家一族が数百年の間、しっかり継承していたようだよ。歴史の重みを垣間見た。」


 すぐにミランダが返す。

 「現世に戻ったら、シャオン王に報告したいわね。ガム、サンドラさんの家で待ってて。私達は市場に寄ってから戻るわ。」

「分かりました。」



 そしてその日の晩……。


 「私は現世に戻って資金を調達する。その間に、挿し絵の時代に3人で行ってみて。」

「では、レイラ、ライラは僕が責任を持って連れて行きます。」

「大丈夫よガムさん。闘技場、闘技大会……色々調べなきゃいけないのは分かってます。」

「先ずはその時代に行ってから行動計画を立てた方がいいんじゃない?宿は取れるのかしら。」

「ライラは宿が心配なの?調査が先でしょ?」

「二人共、ガムと一緒に行動すること。ママはここに戻って待ってる。いい報告を期待してるわよ。」

「先ず1冊目、闘技場の初期の頃に行きます。……上手く転移出来ればですが。」

「それはこの子達に任せるといいわ。上手く3人で行けると思う。そうでしょ?」


 姉妹は揃って頷いた。


 「頼んだよ二人共。僕はイメージは苦手だから、君達頼りだ。」

「ほら、レイラ、ライラ。師匠をしっかり同じ時代に連れて行くのよ。そうでないとガムは時の迷い子になってしまう。」

「大袈裟ですよミランダ様。……でも確かにそうなるとも限りませんが……。」

「万が一3人が別の時代にバラバラにならないように、手を繋ぎなさい。ガムはこの子達の保護者ね。」


 姉妹はガムを見つめて大きく頷いた。

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