第144話 Plan Of Revenge With Granda(グランダへの復讐計画) 1
過去の時代、ミランダ邸……。
「ワンドルの事を悲しんでいても先へは進めない。レイラ、ライラ。これが闘技大会のことが記された書物なの。挿し絵も綺麗に描かれてる。4人で転移を重ねましょう。必ずグランダの出現を探し出す、いいわね。」
聞いていた3人はゆっくり頷いた。
「ガムも転移には問題はなさそうだし、まずは行動を共にしながら闘技大会を探る。5冊の内、3冊が有力な時代と思うの。多分グランダの情報は掴める時代だと考えられる。」
「大会の勝者に会えば情報は得られるかと。もしグランダを見付けたとしても、素行を追わなければならないでしょう。ミランダ様はどうお考えでしょうか?」
4人はリビングでグランダ討伐を模索し始めた。
「どうもこうも、見つけ次第ぶち殺したい心境よ。でもその時代の者がグランダを仕留めなければならないわ。」
「グランダを見付けたら、私達はその時代の仲間探しをするってことなの?ママ。」
「えぇ、そうするしかないのよ。だからまずはグランダを見付けだす。闘技大会に絡んでるとは限らないし、実際に闘技大会に参加していたとしても勝者にはなっていない。なのでグランダを見付けてから、仲間を募る方向かしらね。」
「サンドラさんが言ってたけど、人を雇うには一人当たり金貨1枚だって。これはどうするの?」
「レイラの思う通り、大変だよ。何人がかりで立ち向かうかによっても資金が必要……。グランダはまだ魔獣化していない、単なる強者なんです。」
「闘技大会に参加はしても、人を殺めることは出来ないって人ばかりな気がするわママ。」
「そうよね、そう簡単な話じゃない。その時代のグランダに恨みを持っている人がいるとは考えにくいのよね。」
「調査は困難になりそうですね。ワンドルさんがおっしゃったリンクの話も検証したいです。これにはまず術具を使って試みたいのですが。」
「ガイラが親しくしていた術具屋なら良いものを作ってもらえそう。それは私が依頼しに出掛けてくるわ。それと金貨の件ね。この時代と現世では違った金貨かしら。」
「僕はこの時代の金貨を手に入れましょう。」
「私達が貯めた銀貨を変えてもらってくれるといいと思うのガムさん。多分金貨2枚位に変えられると思う。」
「ありがとうレイラ。まずそうしてみよう。この時代の金貨と現世の物が変わりないのであれば、その時はミランダ様に現世に戻っていただき、協会本部と王城に話してください。」
「そうしましょうガム。」
外は陽が高くなってきた。
そこへサンドラがランチバスケットを持ってきた。
「今日は皆で山へ上がるかい?さ、いつものランチだよ。」
「ありがとう、サンドラさん。」
ライラはバスケットを受け取る。
4人がドアを出ていくと、サンドラも見送りに出てきた。
「今日も気を付けてお行き。」
ガムはそのまま姿を消した。他の3人は、手を繋ぎ、同じく姿を消した。
「不思議だねぇ、姿が消えたら他の場所に行けるなんて。このフリップグロスにも魔導士とやらが現れるのかねぇ……。」
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