第143話 Time Of Parting(別れの時) 2

 薄明かりが漏れる仮住まいの外にまで、姉妹の泣き声が聞こえている。

 遅れて着いたサンドラとジャックは、そっとドアを開けて中へ入った。


 ジャックは胸で十字を切り両手を組んでいる。

 サンドラが姉妹を抱きかかえてあげた。


 ミランダが起き上がると、ワンドルにかかっていた毛布を除けて言った。

「ワンドルを現世に戻しましょう。ガム、レイラ、ライラ。さあ手伝って。ガイラの墓前をイメージして、4人のフルパワーなら連れていける、お願い。」

「気を付けてお行き、ミランダ。また戻ってくるのを待ってるよ。さぁレイラ、ライラ。あなた達もしっかりね。」


 4人はワンドルの身体に触れ、フルパワーを込めた。

4人の髪色が変わり、ワンドルをオーラが纏った。その瞬間4人は転移したようだった。



 そして現世の時代、ガイラの墓前……。


 4人とワンドルの亡骸はガイラの墓前に無事転移出来た。


 「みんな、ありがとう。ガム、近くにいる魔導士達にリンクを。グランダの意識に掴まれないようにお願い。」


 ミランダは姉妹を抱きかかえた。


 「想像していたとはいえ早すぎる……。でもワンドルには感謝しなきゃね。それからあなた達は、これからどうするのかをしっかり考えなさい。」


 もうミランダには悲しい表情は無く、凛として姉妹に話しかけた。



 その後、魔導士達が集まり、多くの者の手助けで、ワンドルが死の直前言ったように、ガイラの墓の横に葬られたのだった。

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