第137話 Sister's Strategy Plan(姉妹の作戦計画) 15
荷車に寄りかかっている3人。
「もう随分上達したわね。あとは魔力の強さを高めることかしら。パワーがまだ足りてないの。それを高めるには戦ってみるのが一番近道かもしれない。自分も傷付きながら、それでも立ち向かう。そこに魔力を高めるパワーを重ねる。これを繰り返せば徐々にパワーが高まっていくわ。」
ミランダは立ち上がると、太陽に向けて大きく手を広げた。
みるみるうちに髪色が変わり、オーラを纏う。やがて全身光を伴うと眩い光と共にミランダの姿が見えなくなる。
姉妹はあまりの眩しさに目を反らすが、そこでミランダの姿は元に戻った。
「どう?二人共。これがママの最大パワーよ。術式を加えれば、大抵の物は消滅する。それくらい力のあるもの。……さ、余興はこれくらいにして、2人のこれからの鍛錬をしっかりやっていくわよ。転移術式は気を抜かないで行う。気を抜くと、とんでもない場所に転移することになると思うわ。だからしっかりね。」
姉妹は、ミランダの姿に呆然とするばかり。
「なんてパワーなの!それ、私達で出来る事?」
「ママのパワーに少しでも近付かなきゃってことねライラ。」
「ガムも転移術式を習得する決心をしたわ。今後は彼と頑張って鍛錬できるかもしれないわ。あ、そうそう忘れてた。明日は巨人の槍に行ってくる。ガムとリンクのテスト。」
「あら、明日は薄紫色の時じゃないわママ。」
「普段の巨人の槍でのリンクも可能なのではってガムの考え。どの時代かは分からないものの、音が聞こえてきたと言っていたの。それで普段の巨人の槍でもリンクを試したいと言ったのよレイラ。」
「それが叶うなら、いつでもリンクできるのね。……でも転移術式を習得するならガムさんにもここへ来てもらった方が早いんじゃない。」
「ライラらしいわね。でも最初にここへ転移してくるには、ママの時のように誰かガイドが必要。ガムはフリップグロスのサンドラ邸をイメージ出来ない、一度来てしまえばイメージしなくても意識だけで来れる。最初の一回はガイドがあれば楽なのよ。もちろんこの時代のこの場所の意識を伝えておく必要もあるわ。」
「私がガイドしたいママ。」
「ダメよライラ。もう少し魔力を高めなきゃいけないわ。失敗も考えられる。確実に転移出来るようになってからよ。」
「ライラはわがままだなぁ。もう離れ離れになるのは嫌よ。」
「そうだよね。……鍛錬を積まなきゃ。」
「さ、少し話過ぎたわ。まだ時間は早いでしょうけど市場に行きましょ。市場は人が多いから、サンドラ邸の横まで転移してそこから2人で行ってらっしゃい。」
3人はブリード川に来た時のように、ミランダが荷車と、姉妹は、手を繋いでサンドラ邸の横に転移したのだった。
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