第136話 Sister's Strategy Plan(姉妹の作戦計画) 14

 ワンドルの仮住まい、お茶を飲みながらの話の続き。


 「えぇ、闘技場の事なんだけど。闘技大会は現世までに300回あまり。第一回から第三回までは同じ勝者で、後は毎回勝者が入れ替わっていた。……グランダは闘技大会に参加してたのかしら。」

「第四回大会では前回勝者はどうなったのだ?」

「それが書物には勝者しか記されていなかったの。対戦表は記されていたような……。」

「気になるな。……連勝していた者の名はなんという?」

「グラードって記されてたわ。」

「グラードか。グラード、グランダ……。何か関わりがありそうだが。」

「その時代に行くのが早いんじゃない?ママ。」

「そう簡単じゃないわライラ。」

「さっきも言ったろう。無駄な転移は自身の寿命を縮めるだけ。ライラ、そう早まることはない。お前達はまず鍛錬しなさい。そして、1人でも移動できるように魔力を高めることだ。」

「そうね、私も子供達としばらく鍛錬を続けるわ。」



 一旦サンドラ邸に戻り、3人はブリード川に転移した。

ミランダは荷車、姉妹は手を繋いで。


 「すごいわママ。荷車と転移するなんて。」

「物に触れていれば、少し魔力を高めるだけで一緒に転移できるわ。あなた達もできるでしょうけど、まだ無理しないでね。」


 ミランダは姉妹の魚獲りを見ていた。

 (シンクロを上手く使いこなせてきたわね。上出来よ。)


 堰に追い込んだ魚は、ムーブを使い荷車の生け簀へと放り込む。


 (術式の切り替えもしっかりしてるわね。上出来上出来。)


 レイラがリンクしてきた。

「ママ、そろそろランチにしたい。お腹空いたー。」

「そうね、もう陽が高い。ランチにしましょうか。」


 3人は荷車に寄りかかって並び、ランチに取り掛かった。

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