第125話 Sister's Strategy Plan(姉妹の作戦計画) 9

 サンドラ邸、リビング。

 食事後の団欒。


 「ねぇ、サンドラさん。旅の時に雇う用心棒って、給金はいくらぐらい必要ですか?」

「ええ!用心棒だって!?あなた達何考えてんだい。」

「違うわ。そんな物騒な事を考えているわけでは……。」

「例えば、遠い王城まで行ったとして、何も知らない土地で不安じゃない?滞在中の護衛を頼んだとしたらお金をどの位払わなきゃならないかしら、と思って。」

「あなた達王城へ行くのかい?」

「どうしてもやらなければならない事があるの。私達の時代の為でもあるの。」

「そうさねぇ……。遠い場所からブレインラードに入ってくる行商人は護衛を雇っているようだがね。町の入口で待っていて尋ねるしかないが……。今は寒くなってきたから旅の行商人は少ないんだよ。4,5か月も待てないんだろ?」


 相変わらず、3人は話しながらクッキーを食べ、お茶をすすっている。

 話はいつもより長くなりそうだ。


 「麓のワンドルさんにも話してみるかい?それともミランダが戻るまで待つか。」

「私達もママの手助けをしたい、だから……。」

「レイラの気持ちは分かるがね、如何いかんせん人を雇うには給金を出さなきゃね。……そうさねぇ、条件次第では安く雇えるが、用心棒じゃ日当金貨1枚以上だろうねぇ。」


 姉妹は顔を見合わせリンクする。

「雇ってから何日で討伐が終わると思う?」

「考え付かないわよライラ。」

「犠牲者も出るでしょう。ポーションがいくらあっても足りない。色々計画立てなきゃ無理よね。」

「この時代の者達での討伐かぁ……。」

「お願いだから危険な真似はよしておくれよ。あたしゃ天国にはあなた達より先に行かせてもらうんだからね。」

「それは大丈夫よ、サンドラさん。ママが一緒だもん。」

「ワンドルさんも協力してくれるし、問題無し。」


 ドヤ顔のライラを見てサンドラは微笑んだ。

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