第124話 Sister's Strategy Plan(姉妹の作戦計画) 8
狩場でランチのひと時……。
「現世には古い文献に闘技場の挿し絵などは無いの?」
「私もレイラと同じかな。当時の絵でも残っているなら、それを見てイメージすれば近くに転移出来ないもの?」
「なるほど、もしかするとってこともあるわね。ね、ワンドル。」
「グランダは山奥に拠点を置いて、手下を集めていた。魔術が開発されると、真っ先に習得にかかったのだろう。魔導士にもグランダ寄りの者がいたのだろうな。」
「どのタイミングなら皆で倒せそうなのワンドルさん。」
「やっぱり、グランダが手下を連れて山へ入る時期が理想じゃない?ライラ。」
ワンドルは少し考えているようだった。
「現世の魔導士協会本部に出向き、当時の文献からそれらしい挿し絵を探す。グランダの爪も役立つかもしれん。」
「ワンドル、その役目は私がやります。あなたは少し静養して待っていてくださいね。」
「やれるか、ミランダ。」
「もちろん、転移する要領は心得たわ。」
ランチが終わっても、まだ話は続いていた。
「私達も何か手伝う。」姉妹が揃って言うと、
「ママだけで十分。それらしい文献を借りてきて、ガムと手分けして探すから大丈夫よ。」
それからしばらく姉妹は狩りの続き。
「それから二人共―。川で魚獲りを続けたほうがいいわ。シンクロの鍛錬にはちょうどいいからー。」
「二人共―。私達は先に下りてるぞ。」
ワンドルとミランダは一足先にサンドラ邸に下りて行った。
サンドラ邸……。
「早速向かうわワンドル。子供達にはそのように伝えておいてください。」
「うむ。では私は麓に下りる。」
市場へ向かう姉妹。リンクで話をしている。
「強い拳闘士を集めるいい方法ってないかなあレイラ。」
「強い人―手を挙げてくださーいってわけにはいかないものね。大会を観ている他に手はないのかなぁ……。」
「闘技場の周りで決闘しちゃう?」
「そうね……。……。そうだわ、シンクロの力をもっと身に付けて、分からないように相手に使えば、私達の短剣だけでもなんとか戦えるようになるかも。」
「それって私達も大会に参加するって話?」
「それでは目立ちすぎるでしょ。だから他の場所でよ。」
「じゃ、本当に決闘するの?」
「絡まれるふりをして仕掛けるとか、怒らせて向かってきたらやられる手前で私達の片方が助けに入る。そんな感じでどう?」
「そっか、それで急所を捉えたら、私達に協力するよう約束させるのね?……。でも協力させるにもお金が必要じゃない?拳闘士を雇うことになるんだもん。」
まもなくして市場が見えてきた。
「軍資金ってやつね。フリップグロスが金貨と銀貨と銅貨。ブレインラードではどうだったっけライラ?」
ドンバスから今日の給金を受け取ると、会話もそこそこに帰宅に就いた姉妹。リンクの会話はまだ続く。
そこでワンドルと会った。
「ミランダが現世に戻った。協会本部に向かうようだから、しばらくは2人で鍛錬を続けながら過ごしなさい。」
「分かったわ。ワンドルさん、ゆっくり静養してくださいね。」
ワンドルと別れると姉妹は話の続きを始めた。
「拳闘士1人でいくら払うの?私達では無理よね。現世のブレインラードの通貨と変わらないなら、現世から調達するとかでなんとかなりそうだけど。」
「たとえ現世と同じ通貨でも、かなりの金額が必要だわ。」
サンドラ邸の煙突が見えてきた。
「何か名案を考えなきゃライラ。」
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