第121話 Sister's Strategy Plan(姉妹の作戦計画) 5

 翌日、今朝は魚獲りに足を向けたミランダと姉妹。


 川には魚を獲るための堰がある。

そこまでやって来た3人。


 堰には、魚はいない。


 「ママこんなんだから、今日は魚は捕まえられそうにないわ。」

「小魚くらいならなんとかって感じ。レイラとサンダーを使ってやっと中くらいの魚がやっとなの。」

「あらあら、あなた達にはシンクロがあるじゃない。いい、見てなさい。」


 ミランダは、堰の上流側で優雅に泳ぐ大きな魚にシンクロした。

ミランダのシンクロで魚は堰へと泳がされ、やがては堰の上までまで泳がされると、その場で跳ねている。


 「ほら、捕まえなさい。」


 ライラはミランダに言われ、慌てて魚を捕まえた。


 「魚にシンクロする。堰まで泳がせて捕まえる。分かったかしら二人共?サンダーはあまりお勧めしないわ。市場に卸すなら、堰で捕まえなきゃ。」


 姉妹は感心しきり。


 「本当なら、シンクロで動きを押さえ込んで、サンダーやバーストなのだけど、市場に卸すなら話は別よ。鮮度が大切、市場に来るお客さんだって新鮮な魚がいいに決まってるでしょ。さ、術式の鍛錬のつもりで続けてみなさい。ママはここで見てるから。」


 そう言って、ミランダは堰の近くに腰を下ろした。


 姉妹はしばらく続けたが、魚をシンクロで上手く捉えられない。


 「はいはい、二人共そこまで。何故魚を捕まえようとするの?捕まえるんじゃないの、泳ぎをコントロールするだけなのよ。それで堰まで泳がせるだけ。さ、もう一度。」


 飛び跳ねたり、プカプカ浮かんだりする魚。

何としても捕まえたい姉妹の表情たるや、必死だった。


 「魚の意識を掴む事も必要よ。早い動きでも捉えられるわ。もっと意識を感じなさい。」


 ミランダは姉妹に伝えた。


 ようやく2人は、それぞれに魚をシンクロして堰まで誘導することが出来た。


 ミランダは堰に誘導された2匹の魚を捉えながら、

「そうそう、その調子ね。魚相手ならだけど、堰に誘導出来たら、弱いサンダーで気絶させると楽かもしれないわ。」


 姉妹はミランダに言われたように、堰に誘導した魚に弱いサンダーをお見舞いした。

魚は気絶状態、跳ねることもなく難なく捕まえられた。


 「ママ、漁師さんだったの?」

「前よりすごく楽になったー。」

「何事も応用ってことよ。さ、頑張ってこー。」


 ミランダの指導(?)のおかげか、今回は魚が大漁であった。

 もちろん、市場のドンバスが満足したのは言うまでもなかった。

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