第120話 Sister's Strategy Plan(姉妹の作戦計画) 4

 サンドラ邸のある晩……。

 ワンドルが王城近くの闘技場建設を下見に行って、戻ってきた晩の事。


 「……ということだ。国は娯楽を建前に、拳闘士を集めるのだろう。国の防衛策だとの噂がある。」

「国が狙われていると?」

「そうとも言えんが、防衛というのはただの噂とは思えなかった。隣国からの侵略対策なのかもしれんな。」

「ワンドルさんやミランダの時代には町の名前が変わっているんだ。戦争でも起こったのかも知れないねぇ。」

「そうかもしれません。王城が戦に破れ、方々の町は改名され姿を変えた。それもあるのかもしれません。」

「フリップグロスが戦場に?そういうことかい、ワンドルさん。」

「いえ、それは無いでしょう。王城を陥落させたのと同じくして、改名させたのだと思います。」

「何が気に入らなかったのかねぇ……。ゆくゆくは国の名前まで変わっちまうのかい?」

「それはありませんよ。私達の時代になっても、シャオングラスティ共和国の名はそのままです。」


 テーブルを5人で囲んで話していた。

 姉妹も話を聞いていたが、レイラとライラが口を開いた。


 「もしかして、グランダの影響で町が変わったとか?」

「町長さんがグランダ達に何かされたの?」

「さぁな、執念深い奴だ。何かあるのかもしれん。」

「ワンドル、王城を陥落したのはグランダってことかしら?戦争とは違う気がするけど。」

「その線が濃厚と見るべきだろう。ただ、ヤツは魔術を知らん。多くの手下を付けての格闘、肉弾戦で陥落させた。町の気に入らない場所は改名させた……。」

「まったく幼い子供のようじゃの。あたしらに何かあったら困るねぇ。いいとばっちりじゃないか。」

「その前に何とかしなきゃ。そうよねママ。」

「そうねレイラ。王城に手を出す前に決着を着けたいわ。」

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