第106話 This World And Times Past(現世と過去の時代) 26

 稲光の衝撃でミランダの左手首の傷が開いたのか、包帯が赤く染まっている。

側に寄って抱きかかえるワンドル。直ぐにポーションを使った。


 痛みがぶり返した様子のミランダは無言のまま。悲痛な表情。

そして手首の痛みが強すぎて気を失ってしまった。


 ワンドルは待機していたガムにリンクし、手助けを要請。2人でミランダを運ぶことになった。



 そして過去の時代……ワンドルとのリンク後。

まだ小雨が残る中、巨人の槍の側で座り込む姉妹。


 「ワンドルさん、元気でよかったわねライラ。」

「うん、良かったわ。」


 まだ降りやまない小雨の中、ポンチョを被っている姉妹。

レイラはライラの様子を伺う。


 ライラは薄っすら涙を浮かべていた。


 「どうしたの?今は悲しむ場面ではないでしょ?」

「ううん、違う。私、ワンドルさんを見ていて、パパを思い出してしまうの。そりゃさ、ワンドルさんとパパって双子だから似てるのだろうけど、パパの優しさが伝わってくる気がして……。だから今日は声が聞けて嬉しいの。」


 そして雨は上がった。レイラはそっとライラのポンチョを取り、肩を抱いてあげた。


 俯いたままのライラ。両手の拳が震えていた。


 「必ず……必ずグランダを仕留める!」

「分かったわライラ。私も一緒よ。パパのかたき、魔導士達の敵討かたきうち。私達できっと仕留めて見せる。」


レイラは更に強くライラの肩を抱いた。


 今日は珍しくグアムスタンの山に虹がかかって見えた。

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