第100話 This World And Times Past(現世と過去の時代) 20

 当時は王城に小さな城下町のあるシャオングラスティ共和国。

当時のクーデターの首謀者、その名をグランダと言った。


 王城側は、爆薬を多量に用意し、火器にモノを言わせ、クーデター一味を蹴散らした。


 これによりフリップグロスはブレインラードに町の名前を改名したようである。


 その後、クーデターを起こした一味は、郊外に追いやられ過ごしていたそうだ。


王城側は、国の弱さを実感し、後に魔術の研究機関を立ち上げた。

それが今の魔導士協会本部である。


 王城は城壁を巡らせ、その後、王都しての長い歴史を刻むことになった。


 だが、それでもまだ平和には程遠く、魔導士協会内でも裏切る者が、郊外へのがれていった。

グランダ率いるクーデター組織に、僅かな技術を持って寝返り、組織に魔術は受け継がれた。


 グランダ自身は僅かずつだが魔術の腕を上げ、組織でも群を抜く術者になった。既にその頃のグランダの容姿は、当時の面影が無くなっていたのである。


 組織として活動を始めて50年程。

この時で既に誰も右に出るものはなく、グランダは部下の無能さに嫌気がさしていた。

 最終的には、部下のパワーをグランダ自身に取り込んでしまった。そしてグランダは意識をコントロールして、幾多の魔人を出現させることに成功する。

 のちの妖魔である。

妖魔は魔導士が名付けたのであるが、グランダは鼻高々だった。

魔導士側にグランダの能力を認めさせた優越感だろう。


 以後250年、グランダが仕向ける妖魔と魔導士の戦いが延々と続くこととなった。

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