第82話 This World And Times Past(現世と過去の時代) 2

 過去の時代、サンドラ邸……。

今夜もまたベッドでリンクしている姉妹。


 「転移術式マタスタシス=テク。必ず習得してママに会わなきゃねライラ。」

「うん。頑張ろうレイラ。これからはラビン狩りの合間に術式の鍛錬よ。」


 姉妹は転移術式を習得する事を心に誓ったのだった。


 そして翌日早朝。

 姉妹は陽が高くなるまで術式の鍛錬、その後ラビン狩りというスケジュールを組んだ。


 そして陽が傾いてきたら山を下りて市場に向かった。


 サンドラ邸に戻ると、必ずサンドラとの談話が始まり、晩の食事までを3人は楽しむのだった。


 そして姉妹はベッドに入ると、その日の鍛錬の復習。


 そんなスケジュールを2か月ほど繰り返し過ごした。


 そしてグアムスタンの薄紫色の雲の日がやってきた。

この雲の日は毎回巨人の槍に行くことをワンドルと約束して、ようやくこの日を待っていたのだった。


 「サンドラさん、ポンチョ借りるわね。」

「行ってきます。雨が落ち着くころには下りてきます。行きましょライラ。」


 姉妹は家を出て、巨人の槍に向かった。


 「ママに繋がれるかなぁ、レイラ。……私、なんか緊張して震えてきちゃった。」

「あれ?武者震いってやつ?ライラっぽいわ。大丈夫、多分ママと繋がれる。心を込めて、ママの意識を感じればきっと出来るわ。」


 グアムスタンの雲はいよいよ薄紫色になり、遠くでは雷鳴が鳴り、雲間から稲光が見え始めていた。

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