第27話 Chapter(章) 25
翌朝、いつもと違う馬の蹄のリズムが近づいてくると、まもなくして乱暴にドアが開いた。
「ミランダ!グランダがこっちに向かっているようだ。危険を感じたら直ぐに麓の街に下りなさい。私は仲間と合流し、グランダを探す。」
ガイラはそれだけ言うと家を出た。
「グランダが……。」
「どうしたの?ママ。」姉妹は声を揃えて尋ねた。
ガムは眉間にシワを寄せ、険しい顔をしている。
「2人共、妖魔神グランダがこっちに向かって来ているようなの。身支度をして。ブレインラードに下りて宿を借りましょう。」
「ママ、もう少しここで鍛練を続ける。大丈夫よライラと一緒だもの。」
「ミランダ様。グランダは急にはやってこないでしょう。ここが危なくなったら直ぐ麓に下りられる様準備をして過ごされては?」
「もしかすると、昨日の私の気配を感じ取ったのかも知れないわ。ガム、グランダがブレインラードにやって来たら、あなたにも手を借りなければならないでしょう。心しておいて。」
「かしこまりました。」
いつでも麓に下りられる様、準備を終えると、4人は家の裏庭で鍛練を始めた。
「頑張ろ、ライラ。」
「うん。昨日のママのパワーは覚えてる。私達のシンクロ、早く覚醒しなきゃ。」
母ミランダのシンクロ最上級術式を身体で覚えている姉妹。
鍛練にはより一層のパワーを込めて始めていた。
「ミランダ様。ブレインラードより遠い場所ですが、強い気配が近付いています。僕は一旦麓に下りて仲間とリンクします。」
「強いリンクはグランダに感じ取られてしまう。気を付けて行動しなさい。」
「承知していますミランダ様。では僕はブレインラードへ下り、魔道士達にブレインラードを守る様伝えたら、シュトランに向かいます。」
遠くで姉妹はシンクロの鍛練を続けている。
以前よりかなり上達しているのが姉妹達のパワーから感じ取れた。身体全体から発するオーラが半端ではなくなっている。
ガムが去った後、姉妹を見守るミランダ。パワーを感じている様子だ。リンクして声を掛けて、姉妹にアドバイス。
姉妹はミランダの指示通り、パワーを可変しながら続けていた。
もう陽が1番高くなり、姉妹の影が短い。
空では鳥達がバリスタン山に向かって飛んでいた。
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